春のうららかさを感じよう

【スマホ小説】ボス 22

運動場には歓声が響いていた。ここはボスの娘オギが通う学校、東京第一だった。アスファルトを敷いた運動場に作られたトラックを子供達が元気に走っている。

そのトラックを囲んで父母や卒業生達が座って応援している。ボスは仲の良いスジン、ホソン家族と輪になり楽しい宴を開いていた。

「でもボスよ。あれからハヌルさんから連絡とかないの?」とスジンが聞いた。「相手はスターだよ。こんな子持ちの中年男に興味なんてある訳ないだろ」とホソンが言った。ボスは微笑むだけで何も言わなかった。

するとスジンの嫁さんで同級生のミファは「ボスは未だにソヒャンを忘れられないのよね」と静かに言った。「ま、飲め飲め」とスジンはボスのコップにビールを注いだ。周りを見回すと家族ごと、若しくはグループごとに集まってすでに酒盛りを始めてる所もある。

皆、知った若しくは知ってる顔達だ。何人かの後輩はビールやお手製のおかずを持って挨拶に来たりもする。売店ではビール、チューハイ等酒類が販売されてるし、酒のツマミも販売されている。中には七輪で肉を焼く強者までいる始末だ。

まるで宴会のように楽しんでいる。昼前には出来上がっている父兄も多い。「な〜にアッパ!もう酔っ払ってるの?まだお昼前だよ!」お昼を食べに来たオギやスジン、ホソンの子供達は口を揃えて文句を言った。

ボスを始めアボジ連中は苦笑いをして「さ、早く座ってご飯食べろ。午後も競技があるんだろ?」と言いながら話を誤魔化そうとしたが「午後はアッパ達の競技もあるんだからね。あんまり飲んだらダメだよ」と、逆にクギをさされる始末だ。

ミファは「あらあら、子供にはさすがのアボジ達も敵わないね」と笑った。オギを始め子供達は並んで座ると食べ始めた。「この卵焼き、凄い美味しい、分厚いし…」「色々巻いてあるね。海苔、ハムにこれは明太子…美味しい〜」と子供達は喜んで頬張る。

「それはアッパが早起きして作ったんだよ〜…ね?」とオギが誇らしげに言いながらボスを見た。ミファは「その卵焼き…ソヒャンの得意だったのよね…」ボスは微笑みながら「真似事だけどな。まだヒャンの様にはいかないよ」と遠い目をした。

「でも、オンマの味みたいだよ」とオギはボスを見て片目をつむった。和気あいあいとした中で昼食は進んだ。

「ピロリンピロリン」
その時ホソンの携帯が鳴った。「もしもし…えっ!」驚きの声を上げたホソンを皆が見た。

続く

1 COMMENT

昼酒は酔うねぇ~

運動会で、午前中から飲酒はダメだよ~💦
しかも、七輪で焼肉~???😢 競技が全部終わってからの宴会にしようよ~😞
数年前に、第一の運動会で、午後の「アボジ競技」で大けがして、救急車が来たことがあります。その翌年から「アボジ競技」が無くなった記憶があります~🤦‍♂️
まぁ~ 小説の中だから、良しとしよう~👍
「ピロリン~♬ ピロリン~♬」と来たか~😁
んで? んで? 今度はどんな事件が…? ドキどっき~

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