春のうららかさを感じよう

【スマホ小説】ボス 28

ホソンとスジンは店に入るなり「ハヌルさんが来たよ」とボスに声をかけた。ボスは仕事の手を止めてホソン、スジンそしてハヌルの顔を見た。「ボス氏、제가 왔어요」とはにかみながら言った。

驚いた。まさか本当に来るとは思わなかった。それはそうだろう。曲がりなりにも韓国のスターである。そのスターが失踪して今目の前に、ボスの目の前に立っているのだ。

「いらっしゃいませ…どうぞ…」と言った。そしてスジンとホソンを見た。ホソンがカウンターの隅にボスを呼ぶと「ハヌルさんから直接電話があったんだよ、事務所に…そして『ファラン』に行きたいって」だから連れて来たんだ…と言う表情だった。

ボスはホソンの肩をポンと叩くと微笑んだ。「じゃあハヌルさん、ジントニックで良いですね」と笑顔で空を見た。

(笑顔?ボスが?)スジンとホソンは顔を見合わせた。そして頷いた。ボスの気持ちが分かったからだ。

スジンは笑いながら「いや〜それにしても久しぶりですね、ハヌルさん。お元気でしたか?」と隣に座った。ホソンも笑ってその反対側に座った。ハヌルを囲んで…

3人はハヌルを囲んで話の花を咲かせた。この間の東京見物の時の話や、3人の学生時代の話、特にクラブの話や喧嘩の話では盛り上がった。高校に上がった当初は出身中学同士の仲が悪かった。入学試験の日から喧嘩があった。当然遺恨が残り、入学式から当分喧嘩が続く。

第一対第四、第四対第五、第一対千葉、第一対三多摩第一等その他個別の喧嘩も多々あった。ただしそこは男同士、何より同じ조선사람同士である。拳を交わし合った後は誰よりも仲が良くなる。

「だから今でも俺たちは仲が良いんですよ」とスジンは胸を張った。「そう言やホソンともやり合ったな」とスジンはホソンを見て笑った。「あぁ、あの時は俺が勝ったんだよな。悪かったな」とスジンを見た。

「な、何言ってんだ。お、俺が勝っただろ」とスジンが言い返す。「な、な、ボス、俺が勝ったよな」と必死でスジンが話す。「そうだったかなぁ」とスジンの顔を見ながらボスは笑った。「お、お前それはないだろ?クソ〜酔い潰れて大きな荷物になってお前らに迷惑かけてやる!」と言うとビールを一気に飲み干した。

「ワハハハハ」皆が一斉に笑った。ハヌルも一緒に笑ってる。(やっぱりここに来て良かった。嫌な事忘れられるわ。それに…)とハヌルはボスの顔を見た。何故だかここにいると心が落ち着いた。昔から知ってる懐かしささえ感じられる空気…

(そうこの空気が心地いいのよね…)ハヌルは心からのやすらぎを感じていた。

続く

3 COMMENTS

ハヌルしっかり❗

ハヌル、コロナの時期じゃなくて良かったね✈️

第一ばっかり❗喧嘩好きそうな人多いいですもんね~。🤣
あ・・・先生、ハコフグ釣れたかな~。🤣

仲良しが一番

ハヌルしっかりさん、
第1は、喧嘩好きそうな人が多いですか⁉️

それにしても、作者さんのリアルティな表現に思わずドキッとしました😵💦
でも作者さんの書いた通りで、その後は仲良く高校生活を送り、42年後の東天紅での還暦同窓会は、みんなで協力しあって大成功に収めました❗

二年後も、楽しく意義深い同窓会を期待します🙇⤵️

こもんふぐ4💦

なんで~ ハコフグに振るかなぁ~🤦‍♂️ ここは、ハヌルとボスでしょう~🤣
でも、なんで我々の高校時代の喧嘩のことに詳しいの? さては~ 作者は喧嘩好き?
ハヌルも女優の地位を捨てて、マネージャーにウソをついてまで~「ボス」かぁ~😘
まんざらでもないんじゃない? ねぇ~ボス😊
私なら、すぐにデートに誘っちゃうけどな~😂
んで? んで? いよいよクライマックス???

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