介護のジカンー姑編㉕

今日は姑の一時帰宅の日。でも、せっかくだから夫と姑と3人で榛名湖に1泊旅行をすることにした。

鮮やかなピンク色のつつじが湖畔に咲き誇る。ベンチに腰を下ろして湖を眺める姑と私。姑も穏やかな表情で湖を眺めている。
私:ハンメ、きれいだね。天気もいいし、来てよかったね
姑:(ニコニコ)そうね~
私:こうしていると、現実を忘れられるよね
姑:…

姑の返事がない。見ると隣に咲いているつつじをムシャムシャと頬張っている。(あ~あ、やっぱり現実からは逃れられないのか~)ため息をつきながら私は姑を優しい口調で諭す。
私:ハンメ、花が可哀想だから食べちゃダメだよ
姑:(ニコニコ)そうね~
同じ会話を繰り返すこと5回。いい加減、もう私も限界だわ…

姑に悪気はない。それは分かっているけど、やっぱり私も人間だもの。ナーバスになる時もあるよ。こういう時って、姑にイビられたこととか思い出すんだよね~。だって「長男の嫁はこうでなきゃいけない」っていつも締め付けられていたんだもん。「ちょっとぐらい姑に仕返ししてもいいじゃん」って悪魔が心でささやいている。

駐車場に車を止めていた夫が、ここでやっと合流した。この時ばかりは夫が救いの神に思えた。夫に姑を任せて私は気を静めようと1人で湖に向かった。

心地よい風が私の頬を撫でる。目を閉じて大きく深呼吸をして、私はいつものフレーズを自分に言い聞かせた。「長い人生、いろいろあるけど頑張れ」
これを言うと、なぜか心と体から力が抜けていく。