春のうららかさを感じよう

介護のジカンー姑編⑧

夫が姑を引き取って帰ってきた。姑は昨晩の服装とは違ってお気に入りの花柄のワンピースをまとっていた。泥だらけである。手にはふろしき包み。開くと昨晩の服が入っていた。
私:ハンメ、おかえりなさい。帰ってこないから心配しちゃったよ
ハンメ:(ニコニコ)そう?
夫:もうホント頼むよ。オモニ
夫もこの頃には姑の認知症をちゃんと受け止めていて、怒ることもなくなっていた。
夫:とりあえず風呂に入れて着替えさせて

お風呂。認知症の人をお風呂に入れるのは一苦労である。どんなに風呂好きな人でも嫌いになるから不思議。あんなに気持ちいいのに…。服を脱がせてお風呂に入れる。
私:ハンメ、昨日どこに泊まったの?
姑:自分で洗うからいい
なんともちぐはぐな会話である。
姑は何度も何度も頭を洗い始める。
私:ハンメ、頭は今洗ったよ
姑:そう?
しかし、またシャンプーを取り出して頭を洗い出す。
私:さて、今日は何回洗うかな~
姑:(ニコニコ)そうね~
私:…
風呂から出て何ごともなかったようにお茶を飲む姑。私と夫は安堵のため息をつく。