春のうららかさを感じよう

【投稿】諸君、喝采したまえ、喜劇は終わった

約10年前、聴力を失ったベートーヴェンと同じ耳硬化症でその手術を受けた。診断する際、難聴が神経性なのか骨の伝導性なのかを検査するのだが、音叉を額に当ててその音が聞こえるかどうかの診察がある。私には額に当てられた音叉の音が、不具合がある左耳には聞こえ、正常な右耳には聞こえなかった。

医者曰く、左耳は骨の伝導性に問題があるので手術で直ります。額の音叉の振動は、正常なら耳小骨を通して耳の外に抜けるので聞こえないが、耳小骨に障害があると振動が外に抜けず内部の聴神経を通して脳に信号が行くので聞こえるらしい。かくして私の左の聴力は、現代医学の恩恵で7割ほど回復した。

ベートーヴェンが今の時代に生きていたら、生涯難聴に苦しめられることも無かっただろう。しかし、果たして今と同じ名曲は生まれたのだろうか。

そのベートーヴェンだが、晩年に『弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132』で第3楽章に「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と副題が付く曲を書いている。ベートーヴェンの重病が癒えた後に、上記のような題名を付し、教会のグレゴリア聖歌の旋法で作曲し病からの快復を神に感謝している。

私は無神論者だが、家族共々健康に過ごせることに思わず神やこのような音楽を書いたベートーヴェンに感謝したくなる時がある。特に、コロナ禍の脅威や不便な日々を強いられる昨今、この曲を聴くと思わず聴き入らずにはいられない。皆さんにも病から癒えた後や、日々家族や自身の健康に感謝したいと思った時、この曲を聴くとふと心に忍び込んでくるものがあるかもしれない。

表題の「諸君、喝采したまえ、喜劇は終わった」はベートーヴェン最後の言葉。

韓国人女性4人よりなるエスメ弦楽四重奏団

<ベートーヴェン『弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132』第3楽章「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」より>

5 COMMENTS

素晴らしい~

自分をベートーヴェンに例えて思考できるところは、素晴らしい~👏
最近パラリンピックで盛り上がっていたので、見てましたが~
純粋に感動した~ と言うより、そのアスリートの人となりに感動してました😁
昔から、私は言い続けていたのですが~
「健常者のそれより、パラリンピックを先にやるべき!!!」と~🙌
「ついでに」「おまけ」「なさけ」「まだやってる」感がして、失礼極まりない😞

投稿者

素晴らしい~さん
パラリンピックを先にやるべきとの発想が素晴らしい~。
オリンピックの後だと、ついで感や後付け感が拭えないですよね。
パラリンピックを先にやるとの案に賛同します。
今回の大会はコロナ禍の中での開催でしたが、コロナ禍が収束した後に安心して観られたらより良かったですね。
コロナ禍も喜劇で終わってくれれば良かったのですが、そうはならないのが辛いです。

音叉で試してみたら…。

最近夜安静、時々耳鳴りがうるさくて気になっていました。折角なので実験してみました。目の前に音叉があったので、440Hzの周波数を試してみました。(余談ですが)普段音叉は楽器のチューニングに使います。この周波数の音は(A)ラの音です。

膝で叩いてから、まず眉間に当てて見ると、何も聞こえない❌。次はオデコの中心辺り❌、オデコの上辺りで⭕️。頭の天辺の方からブーンと言う振動音が聞こえてきました。骨伝導って音叉を当てて聴こえる場所と聞こえない場所があるのかな❓

追記、音叉を強く叩くと、手に持ったままでも、空気中を伝って音が聞こえてきました。あれっ❓どうなってんだろう…。力加減によるのかな❓(^^)

投稿者

音叉で試してみたら…。さん
耳硬化症の診察の時はおでこの中心あたりでした。
普段あまり聞こえない左耳から音叉のブーンという音が聞こえて、正常な右耳から音が聞こえなかったことは不思議でしたが、説明を聞いて納得しました。こんな原始的な方法で障害が聴神経か鼓膜耳小骨系なのかが分かるとは驚きです。人間の探究心は凄いですね

ところで、A(ラ)は一般的に440Hzですが、現代オーケストラはA=442~446Hzにチューニングしてきらびやかな音にするようです。カラヤンは446Hzだとか。また、時代復古派の古楽器団体はA=432Hzとチューニングするようです。どこかくすんだ雅やかさが魅力的です。モーツアルトの音叉はA=421.6Hzだそうです。

あれ!? 相対論、量子論ときて今度は波ぃ!ガーン(笑)。
音叉の音は綺麗なサインカーブだそうで、本当かどうか職場にあるオシロスコープで波形を見ると本当でした。人の声や楽器などはギザギザの波形ですが、ギザギザ波形もサインカーブの合成(寄せ集め)と初めて聞いた時には驚いた。約40年以上前になりますが、その波の寄せ集めを解析、理論化したフーリエ変換を勉強したが難しい。難しいが何とか理解したいと思い色々本を探したところ、以下の本が一番分かり易い本でした。また、何とか量子力学の基礎を理解したいと思い色々本を探したところ以下の本が一番分かり易い本でした。amazonで検索したところまだ発刊されていました。
『フーリエの冒険』、『量子力学の冒険』(トランスナショナルカレッジオブレックス刊)

ちなみに「フーリエ変換」の分かり易い概説は以下
<フーリエ変換を宇宙一わかりやすく解説してみる>
https://www.yukisako.xyz/entry/fourier-transform

科学者って凄いですね。オイラーなど勉強しすぎて失明し「おかげで気が散らなくなった。前より数学の研究に打ち込める。」と言ってますから。命かけてますね(笑)。

難しい=快感(笑)

とっても詳しく丁寧な回答ありがとう。凄くためになりました。(^^)
物理の世界は、難しい…。ですが、だからこそ面白い‼️音楽の世界も、突き詰めていくと結構奥が深いですねー。底無し沼か❓嫌、泥沼かも⁉️(笑)

難しい難題に夢中で取り組んでいると、気付くといつの間にか、以前の難問が理解出来ていた事、度々あります。いての間にか出来る様になってる〜。
この瞬間が快感。(^^)ドーパミンがでまくります。(笑)

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