【投稿】行列に並んで食べるカツカレー

私は並ぶのが嫌いだ。 淡白でせっかちな人間なので、大行列に並んでまで美味しいものを買おうとか食べようとかそんな気持ちになることがない。私が並んでもいいかな？と思える人数は、せいぜい ３〜４人ぐらい。 ５番目ならギリギリOKだ。

ただし回転の良いお店が条件と、ただ黙々と食べて帰るような店に限る。待ち時間にしたら10分が限界だ。なので立ち食いそば屋や、有名讃岐うどん屋、牛丼屋などは個人的には大好きだ。

駅の近くには常連のカレースタンドがある。カウンターだけのお店で定員は10名ぐらいだ。いつもだいたい3〜4人ぐらい並んでいるがギリOK。そして早くて美味しいのだ。店の人も手慣れたもので、並んでる時点で注文を聞くのでテンポよくカレーが運ばれてきて回転がいい。

ここのカレー屋さんはほかの飲食店よりも効率が良く、5分に1人は入れ替わるのだ。そして私の注文はいつも決まっている。カツカレーだ。

私イチオシのカレー屋さんも、ビルの取り壊しにより今月末で閉店すると聞いた。 私的には一大事だ。 うわさを聞いてお店の前に行くと、いつも以上の大行列、 閉店を名残惜しむお客が詰めかけている。数えてみると20人はいる。えー！？ 普段の私なら絶対に並ばない人数だ。少し戸惑ったが足が自ずと動き、最後尾についた。私の体がここのカレーを欲しているということか。

ここは自分の本能に任せる。 そして注文はいつものように カツカレー。

やっぱりうまい。でも、こういう馴染みのお店が、年と共になくなっていくのは一抹の寂しさを覚える。この日を境に、これからは８人の行列なら並べるような気がしてきた。

閉店までの期間、このカレー屋さんにあと何回通えるだろうかと考えながらカレーを頬張った。