卒業の春…再会の準備を始めよう

지영이는 보았다 その13

朝鮮学校でのバーベキューは正午からだが、ママと共にチヨンが現場を訪れたのは午後1時頃だった。商工会との付き合いが長いママは、総聯系の人々が催す行事に度々参加してるため、最初にあるだろうちょっとお固いセレモニーをスルーすると言っていた。心得たモノだ。

校門前には홍が立っていて、延着の二人を校内へと導き入れてくれた。家族連れが多いし大盛況だ。幼少の子供たちが走り寄ってきては「안녕하십니까」とか「잘 오셨습니다」と、はにかみながら挨拶し、お辞儀をしてくる。

(꼬맹이들 이뻐 죽겠네.) と温かい気持ちになるのをチヨンは止められない。でも若奥様方の視線は心なしか鋭く、ちょっと痛いかな!? 旦那たちが通ってるだろう가게の아가씨かと、値踏みしてるのかもと思うと吹き出しそうだ。でも、とてもコンパクトな홍の紹介で「誤解」は立ち消えたし、煙が立ちのぼる七輪の輪からは手招きがひっきりなしだ。

チヨンはママと一緒に홍の輪に加わった。初見の人ばかりだが、「남남북녀って言うけど南も美人が多いね」と褒めたり「우리끼리 먼저 통일됐네요.」と言ったり、「国連制裁で骨付きカルビが手に入らなかったんだよね。」と戯けてみたりする。

ノリは軽いが知的ジョークが愉快だ。焼肉の味付けとキムチが美味すぎるのには驚くばかりで教わりたいぐらいだ。身内でもない多くの老若男女が、分け隔てなく親しく溶けあって談笑するこんな場面をチヨンは見た事がなかった。前にママが言っていた「彼らの強味」に思いを馳せ、民族の絆かと認識を改める。

ここでの会話を通じて南北問題に敏感で、彼らなりの独特な物の見方や考え方があるのも理解できた。トイレの時にスマホの向こうを覗いたら、김はブレス体操の真っ最中だった。平壌での南北トップ会談を祝うと冠した抽選会で、タワシしか当たらなかったのがかなり残念ではあるが、収穫の多いひと時だった。

ママと別れ一人帰りながら、チヨンはバーベキューとは言え総聯系の集いに参加した事が「上司にバレた時の言い訳」を頭の中で練っている。

          続く

1 COMMENT

S

最後の画像。これこれ、硬いホルモン(ミノ)。噛んでも噛んでもなかなか呑み込めない(^ ^)。でも、これが良いんだよな〜。ビールのお供🍺には。
そう言えば、最近支部の集まりにとんと出てないな〜。硬いミノまた食べたいな。でも、奥歯ぬけちゃって噛めない。(笑)(笑)

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