少し肌寒い日曜日。 市民ギャラリーで開催されている「黒の空間・ 水谷光江展」を観覧した。水谷光江さんは山の画家だ。
題材のほとんどは歩き回った日本の山々、そしてその途上の家々の風景で占められている。山や家々は、コンテ、パステル や鉛筆の独特な線で表現されている。
作風は、対象を見ながら描いたものもあるが、目で見て記憶に残った印象や感動を、アトリエに戻って白い紙の上にじっくりと再現している。それは写生ではなく、東洋の水墨画、胸中山水の手法のようだ。
水谷光江さんは、35年前に58歳でこの世を去ったが、残された家族は水谷さんの絵を整理し額装し、大切に保存してきた。
いま有名無名を問わず、画家が自分の絵をどう残すかが、大きな問題になっている。 バブル期には一時、美術館が全国に建設されたが、最近は財政的理由からか、寄付ということであっても収蔵が難しくなっており、絵の保管・管理と照明・空調の予算にも困窮しているという話も聞く。
「全ての絵は残すべし」というつもりは全くない。 しかし、優れた芸術・文化を財産として受け継ぎ、残す方法はないのか。
残された水谷光江さんの絵の実作の素晴らしさ、それを保管してきた有志の皆さんたちの苦労、そして現在を取り巻く貧しい文化・芸術の現状に、小さくても一石を投ずることになればいいなと考えながら会場を後にした。
独特な技法ですね~👀 一度目の前で見てみたいな~
でも、どなたか弟子は育てなかったのかな?
弟子なり有志なり、ご家族なり、声を大にして保存運動を展開して欲しいですね💓
私は「保存」派に一票👍🙌