同窓会の準備を始めよう

3年12班の愉快な面々 39

退院して来たM道が朝教室に入ると、先に来てた班の仲間が黒板の前で騒いでいる。

「おはよう」とM道が挨拶すると皆がM道を見て「あ、M道!退院したんだ」「もう大丈夫なの?」「これからまた無欠席運動スタートだね」と口々に言いながらM道の周りを囲んだ。

「ありがとう。無理は出来ないけど、学校は行ってもいいって…心配かけて悪かった」と頭を下げた。「ところで何を見てんの?」と黒板を見ると縦に長く線が何本も書いてある。その下に数字がランダムに書き込まれている。数字は29番まである。

「なんだろ?これ…」「29か…12班の人数だね」と誰かが言った。「そうだよ!でも、なんだろ?」と各自首を傾げる。その時チャイムが鳴った。それぞれ席に着くと先生が入って来た。今日は文先生も一緒だ。文先生は大きな紙を持っている。

金先生はM道の顔を見ると微笑みながら「M道、戻って来たか。大丈夫か?あまり無理するなよ」と声をかけた。M道は「ご心配をおかけしました」と頭を下げた。

先生はにこやかに笑って話を続けた。「今日は…初めて席替えをします」と言った。「えっ席替え?」皆の顔に希望の笑みが浮かんだ。

特にNMは(あ〜やっとこのカリフォルニアシャワーとおさらば出来る)と内心飛び上がるほど嬉しかった。「黒板に書いた線をひとつ決めてその線と線の間に1人2本づつ横線を書き込む」すると◯スンが「アミダ…ですか?」と聞いた。「そうだ。アミダだ。今度の席はアミダで決める」

さすがの12班のメンバーも驚いた。騒がしい子が後ろに行ったり、うるさい子同士が並んだり…色々な弊害が考えられるが先生はそんな心配はどこ吹く風。ニコニコ笑っている。(アミダか〜!ま、ここ以外ならどこでもいいわ)とNM。

「アミダで席を決められるのは究極の良いクラスだと先生は思ってるんだ。誰が誰と並んでも、誰が後ろで誰が前でも関係なくクラスの雰囲気が変わらない。 そんなクラスって最高じゃないか! 今の12班はそう言うクラスになったと思う。さぁ1人ずつ線に名前を書いて2本横線を入れなさい」と目の前のNMに促した。

NMは自分の好きな番号の線の上に名前を書いては消し、迷ってまた違う番号に書いては消した。「何してんだよ。早く書けよ」と皆に急かされたが「大切な事なんだからちょっと待ってよ!」と何回か迷った挙句最初の番号に落ち着いた。そして順番に全員が名前と線を引き終わると先生は「さぁ、それでは…」とアミダを始めた。

「Sスは3番、NMは29番、C子は15番、ス◯は…」文先生が読み上げて行く。全ての番号が確定した。文先生は準備して来た大きな紙を広げた。机の位置が書かれてあるが、番号が振ってある。「はい、これがあなた達の新しい席順よ。」皆身を乗り出して席表を覗き込む。

「よっしゃー!」「え〜!やだ〜」「マジで?」と様々な反応をするメンバーの中で机にうつ伏せして「なんで〜!」と喚く子がいる。NMだ。「な、なんでまたカリフォルニアシャワーなのよ〜」半ベソをかいている。「なんだ〜?あれだけ迷って結局そこか?」と茶化された。

クラスが笑いに包まれる中、先生は余程気の毒に思ったのか「誰か席を代わってあげる人はいないか?」と言うと意外にも、Sスが手を上げた。「僕は前の方がいいので…」と言って代わってあげた。「おー!偉いな〜」と皆感心するが、Gチはニヤリと笑った。

(なんだ、Sスの隣だからじゃねぇか)…悟られたと思ったのか、SスはGチの顔をチラリと見て片目をつむった。

掃除の時間…
いつもの叫び声が教室に響く。
「コラー!Y男、どこ行くの?机運んでよ!そこのGチとK、サボらない!」フセン部のC子が走り回る。「あれ?NMと◯スンは?さてはまた10班に逃げたな〜」と言って教室を飛び出して行った。

10班の教室を開けて 「NM 〜! ◯スン 〜!」と声をあげる。隅っこで話をしてた2人は咄嗟にしゃがんだが、しっかり見つかって恒例の鬼ごっこが始まる。

そして2人が捕まって教室に戻る頃には掃除が終わっている…と言うありふれた日常に戻って行く。2学期もあと少し、年が明けると卒業まではもうすぐだ。

こうしてM道も戻り最後の席替えも終えた12班のメンバーは、残り少ない高校生活を過ごします。 あとはSスの受験、ス◯の進路、そして2人の関係…もう少しお付き合い下さい。

2 COMMENTS

🧹🧹🧹

笑。掃除さぼって10班に逃げる?追い駆けっこ?私、見られていたのかな~🤣

返信する
勉強できるのよ~りんまま

あみだくじ~♬ あきだくじ~♬って、リンで合唱したのかな?😆
私、小学生の頃、リンママと隣の席になることが多くて、よくカンニングさせてもらった😊今でもその話で盛り上がる~👀 こますだぁぁ~

返信する

コメントを残す