春のうららかさを感じよう

おかしな娘のオモロイ話(37)ー忍たま乱太郎

カレンは最近、「可愛い」へのこだわりが強い。ひかりもの、フリフリのレース、プリンセス、プリキュア…… とにかく可愛いものが大好き。ちゃん丸と一緒に忍たま乱太郎を見ていたときのこと。ピンク色の服を着た、くの一忍者が登場。

カレン:わ~っ!この忍者、かわいい!!
カレンは、くの一忍者に釘付け。

くの一は全部で三人いる。ともみちゃん、ゆきちゃん、おしげちゃん。ともみちゃんとゆきちゃんはかわいい女の子で細身なのだが、おしげちゃんだけがぽっちゃりめ。顔もしんべえの様な顔。

カレン:オンマ、ゆきちゃん、可愛いね!カレン、ゆきちゃんみたいになりたい!!
私:可愛いね!カレン、ピンクのお洋服着たら、ゆきちゃんにそっくりなんじゃない?!

私はカレンに相づちを打って、二人で大はしゃぎ。ゆきちゃんにそっくりと言われて、満足げなカレン。そこへちゃん丸登場。

ちゃん丸:カレンはゆきちゃんじゃなくて、おしげちゃんの方が似てる。

わざといじわるっぽく言う。和気あいあいとした空気が一瞬で凍りつく。カレンは聞こえないフリをしている。私からすれば、ゆきちゃんだろうがおしげちゃんだろうが「そんなのどっちでもいいじゃん」である。カレンがちゃん丸の言葉を無視しているので、今のうちにこの話題は消そう。

「さ、夜ご飯の支度しよっかな~」と私が立とうとした時、いきなりカレンが怒り出した。

カレン:カレンはおしげちゃんじゃないの!!!!ゆきちゃんなの!!!!
(…やばいぞ)
私:そうだよね!カレンはおしげちゃんじゃなくて、ゆきちゃんだよね!!
必死にフォローして相づちを打つも、時すでに遅し。
カレン:おしげちゃんいやだぁ~~うわぁぁぁあん

ついにおしげちゃんが爆音で泣き出す。っとにもう、ちゃん丸め!
私:ちゃん丸!カレンに謝りな。
ちゃん丸:なんで?!ボク、ホントのことを言ってるのに。カレンはゆきちゃんに全然似てないじゃん!!

それを聞いて、おしげちゃんはますますヒートアップ。あぁもう、ややこしい…
ケンカの内容が、しょうもなさすぎる。

私:もう!!カレン!いつまでも泣かない!!ちゃん丸!カレンにいじわる言わない!!
そうどなりつけた時、忍たま乱太郎のアニメが食堂のおばちゃんの怒るシーンに変わった。
ちゃん丸:わ!この食堂のババたん、オンマそっくりじゃん!
私:なんですって!

そんなやり取りをしていると、いつの間にかカレンがケタケタ笑い出している。
カレン:オンマ、食堂のババたん!!
ちゃん丸とカレンは大笑い。
私:……まぁ、泣き止んだならそれで良しとしよう。

2倍に疲れながら、食堂のババたんは夜ご飯作りへと向かう。そのあと、ちゃん丸とカレンは忍たま乱太郎を三回も巻き戻して観ていた。