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【スマホ小説】ボス 38

チョロのイライラは極度に達していた。その姿を見て「ヨボ、なにをそんなにイライラしてるの?何かあったの?」と聞いて来る。プサングループの会長の一人娘で、チョロの妻のミファである。

昔からチョロの熱烈なファンで、猛アタックの末に結婚したのだった。チョロからするとミファ本人よりその強大な経済力に惹かれた。「いや、何でもないよ」と言いながら優しくミファを抱き寄せるのだが、頭の中ではハヌルにどう言う風に復讐しようか考えていた。

(色々やったけど、どれもイマイチだったしな〜、映画の降板も、雑誌社を通しての評論家の酷評も、テレビ局での嫌がらせもこれと言って効果が薄かったからな〜)とニヤけながら思いを巡らせる。(あぁ、そうそう…ホームページへのコメントはチームを組ませて一気に書かせたから、ちょっとは効果があったみたいだけど…)と舌舐めずりをした。

(金ハヌル…この俺を振った罪はこんなもんじゃ済まさないぞ…それに誰だ?その男って…ハヌルは俺のもんだぞ!俺以外の男?許さねぇ)チョロは、湧き上がる怒りと嫉妬心を抑えるのに苦労した。

(そうだ。その男を…)ここまで思いを巡らせたチョロはミファを優しく離しながら、「そろそろ仕事に戻らないと」と言っていそいそと家を出た。さっきまでのイライラはいつの間になくなり、新たな報復に胸を躍らせた。
(ハヌルの日本での動きをチェックしたら誰だかわかるだろう…よーし今度は俺が直接手を下してやる!)

ハヌルが来日時に何回か尋ねた「ファラン」はすぐに見つかった。どうやらそこのマスターが噂されている男らしいと言う情報を得て、隠密に動く為に単独で日本に向かった。

日本語は役者時代の『昔取った杵柄』で日常生活には困らない程度に話せた。目標の『ファラン』を見つけると入口でちょっと躊躇ったが、思い切ってドアを開けた。薄暗い店内には客が8割方座っている。

(いた!)彫りの深い顔を伏せがちにボスの顔を確認してすぐに出て行った。(ふ〜、実際相手の顔を見ると殴りかかりたくなるな〜我慢我慢)とチョロは自分に言い聞かせた。背中の方から「いらっしゃいませ」の声が聞こえた。

(フン、何がいらっしゃいませだよ。直ぐにお前をあの世に送ってやるよ)と思いながらほくそ笑んだ。チョロは身を隠す窪みを見つけて身を潜めた。見ると手頃な木の棒が横たわっている。ニヤリと笑ってその棒を拾うとボスが出て来るのを待った。

しばらくすると2人の影が店から出て来た。
(2人?まずいな…ん?)その二つの影は二手に別れた。うっすらと相手の顔が見えた。(来た!)偶然にもボスが近づいて来た。(この野郎、一度死んでみろ!)

ボスはすぐ目の前に迫って来た。

(いまだ!)チョロはボスの頭目がけて棒を振り下ろした。

続く

2 COMMENTS

チョロは元気かな?

このチョロは、レベルが低すぎですねぇ~💦 破滅型だなぁ~💦
こんなセコイ野郎だから、ハヌルにフラれたんだよね~👌
ここまで行動しなくても、似たような気持ちを持ったセコイ野郎はいますよね~👀
んで? んで? それから~ それから~?

チョロチョロ

嫉妬深い男だなぁ。振られても彼女の周りをチョロチョロしてるからチョロ?

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