何年か前まで毎年、年末になると年末ジャンボ宝くじを買っていた。それを見た子供が「確率から言うと全然当たらないからやめたほうがいいんじゃない?」と言われた。
年末ジャンボ宝くじは1ユニット2000万枚。この中から一等賞が1枚出るので、1枚買って当たる確率は2000万分の1になる。これは東京都民が一人一枚ずつ買っても、当選者が一人いるかいないかという確率だ。なのでそんな確率から言ったら、パチンコよりも当たる確率は低く、息子は一切宝くじは買わない。
それでもこれにかけるかどうかはそれぞれの人生哲学ということになるんだろうけれども、今日はもうちょっと救いのある話をしてみたい。
それは、私たちは皆、すでに年末ジャンボ宝くじの一等を引き当てるよりずっとずっと稀な確率で、この世に生を受けているという事実だ。
精子はものすごい賭けをしている。放出された精子は、まず右に進むか左に進むかの決断を迫られる。子宮の奥の卵管は左右両側にあり、その時排卵が起きるのはどちらか一方のみ。左右の卵管に準備されていた数十万個の卵子のうち、どちらかから一つだけに放出されるからだ。
そして卵子の寿命は短い。せいぜい24時間が限界である。しかもこのうち受精可能なのはたった数時間とされている。一方精子の寿命は数日。精子は卵子を待つしかない。なので妊娠が成立するのは卵子が放出されてから精子がやってくるのではなく、精子が待ち受けているところに卵子が降りてくるパターンが大半である。
それゆえ妊娠したい場合は、排卵前に十分量の精子を事前に送り込んでおく必要があり、避妊したい場合はセックスは排卵1日後以降にしておくのが安全だと言われている。
精子の試練はそれだけではない。互いの協力が必要なのである。卵子は透明な膜に覆われている。この膜を溶かさないと精子は卵子内には侵入できないのだ。
膜を溶かすのは精子が持っている分解酵素である。でも精子一匹では相当足りないので、多数の精子が一斉に酵素を放出する必要があるのだ。これを協力するということ。精液中の精子濃度が薄いと不妊の原因になるのはこのためだと言われている。
ところがである。 先ほどまで一致団結、一致協力して卵子の膜を溶かしていたのに、膜が解けた瞬間、周りを出し抜いて、いち早く一番で飛び込まなければならないのだ。もし隣を泳いでいた精子が、先に卵子にダイブしたら、あなたという人間はこの世に存在しなかったのだ。
だからあなたが今ここに生きていること、それは数億の精子と数十万の卵子の中から当たりクジを引き当てているからこそのことなんだ。数億×数十万分の一の確率である。
息子よ。感謝感激することがあってもハズレなんて言ってはいけない。確かに精子と卵子は親から預かったものだ。でもそれは言ってみれば麻雀の配牌のようなものである。
ここから先、どうやって役を揃えていくかが生まれてからの道のりだ。配牌が悪ければ悪いほどやりがいがあるというもの。最初からアガリみたいな配牌だったら、ゲームをする楽しみがないでしょ。それに麻雀と違って人生にはアガリはありません。
どれだけ年をとっても次のツモで素晴らしい牌が来るかもしれない。宝くじより素晴らしい、役満級の幸せが訪れるよう、俺はいつも願っているよ。
面白い🤭
宝くじから奇跡の生命の誕生、そして麻雀へ。繋がらなそうな事柄も考え様によっては繋がるんだと言う面白い発想です🤭
こーゆうの好き🤭
これで宝くじを買う堂々とした口実が出来た❗
娘達よ、当たったらディズニー行こうね💕
宝くじから精子戦争に飛ばして、麻雀にも飛ばす~💦
すごい人生哲学ですね~👍 ホッピーを飲みながら、熱く語る投稿者が見えます👀
で、見事妊娠したり、役満を上がることはあるけど、一等を当てたことはあるのかな?
やっぱり、単純に比べられないよね~ 宝くじは💦