【スマホ小説】ボス　54

「はいカッ～ト！OKです！」スタジオに監督の声が響いた。途端に拍手と歓声が起こった。映画「ミス・ロー」は５話まで続く大ヒットシリーズとなった。このヒットに気を良くした映画会社がテレビでのシリーズ化を決めた。

その第１シリーズは、平均視聴率40％を超える国民的なテレビドラマとなり、今日最後の撮影が終わったのだった。スタッフが花束を持って主演のハヌルに渡した。ハヌルは「ありがとう」と言いながら笑顔で受け取ると周りのスタッフに深々と頭を下げた。そして「皆さんのお陰です。本当にありがとう」とニッコリと笑った。

楽屋に戻ったハヌルに「いよいよ本当の国民的スターになりましたね」と社長が声をかける。「だって社長、平均視聴率40パーセント超えですよ。凄いことよヒャン。胸を張っていいわ。あとヒャンが作詞した挿入歌もヒットチャートを上がってるわ」とチが笑いながら話す。メイクを落としながらハヌルは「皆んなのお陰よ。みんなのね…」と笑った。チは時計を見ると「さぁ早く支度して。記者会見の時間が迫ってるわ」と言うと社長と一緒に外に出た。

ホテルの記者会見場は華やかな雰囲気に包まれていた。舞台の上には長いテーブルが置かれ、綺麗な花が飾られている。白い壁には『ドラマ 「ミス・ロー」完成記者会見』と大きな看板が吊るされている。テレビカメラが十数台並び数十人の記者達の熱気が会場を包んでいる。あの『ショッキングトゥルース』のミスとジホの顔も見える。

一斉にフラッシュがたかれる中、主演のハヌルと脇を固める男優と女優、そしてプロデューサーや監督らが壇上に上がった。和やかな雰囲気の中で会見が進み、質疑応答の時間が来た。何人かの記者との質疑応答が終わり、最後の質問者として『ショック』のミスがマイクを持った。

「 ショッキングトゥルースのカンミスです。一昨年のスキャンダルを見事に乗り越えて今回のドラマ主演の成功と順風満帆な活動、おめでとうございます。ゴシップ記者としてはどうしても気になる事がありまして…」と言うとハヌルの顔を直視して「ハヌルさん、今回、挿入歌も好調で…作詞はご本人と聞きましたが…」ハヌルはマイクを握ると「はい、作詞家の先生に指導を仰ぎまして…」と答えた。

ミスは「ただ、内容としまして、どうしても心に誰かを置いて書かれた感じが強いのですが…いかがですか？」「…」ハヌルはにこやかに微笑みながらミスの顔を見つめた。そして「もちろん！でもそれが誰かは…私の心の宝物ですから」と言うとマイクを置いた。

司会者が「以上を持ちまして…」と終了のアナウンスを流した。ミスは遠ざかるハヌルの背中に向かって「日本にいるBARのマスターじゃないんですか？」「彼とはもう会ってないんですか？」と繰り返し質問した。

ハヌルは背中越しに聞きながら微笑んで会場を後にした。

終り

니가 즐겁고 기쁠때면
お前が心から喜ぶ時は
곁에 있어 함께 웃어줄게
そばにいて一緒に笑ってあげる
니가 외롭고 서러울때면
お前が一人で哀しい時は
곁에 있어 함께 울어줄게
そばにいて一緒に泣いてあげる

니가 신이 나고 춤출때면
お前が楽しく踊る時は
함께 웃고 춤춰주고
一緒に笑って踊ってあげる
니가 분하고 억울할때면
お前が悔しく怒りに震える時は
언제나 함께 몸부림쳐줄게
いつも一緒に怒ってあげる

기쁜 일이 있으면 누구보다 기뻐하고
嬉しい時は誰より喜び
못다한 말을 하면 진심으로꾸짖어주고
間違った時は本気で怒ってくれる
추울때나 더울때나 가림없이
寒い時も暑い時も
늘 곁에 있어서는 날 보살펴줬었지
いつも隣に居てくれた
그런 니가…
そんなお前が…

내게 조금더 용기가 있었더라면
私にもう少し勇気があったら
내게 조금더 힘이 있었더라면
私にもう少し力があったら

내가 조금더 순진했더라면
私がもう少し素直だったら
내가 조금더 솔직했더라면
私がもう少し正直だったら

내가 조금더 철이 들었더라면
私がもう少し大人だったら
이것이 바로 사랑인줄 알았더라면
これが愛だと気付いていたら

지금쯤 후회가 없었을 걸…
今頃 後悔などしなかったのに…

※ 作詞 金ハヌル ドラマ 『ミス・ロー』挿入歌