バスは喜びを乗せて一路和歌山を目指し東名を西へ走る。我々の帰りを出迎えるかのように夕映えが西の空を染めている。バスの中では教師と生徒たちが冷めやらぬ興奮を分かち合っていた。
片田舎の小さな学校が全国大会で優勝、準優勝を果たしたのだ。喜びに湧くのも無理はない。生徒たちの首にはいまだにメダルがかけられている。「おい、お前たち。いいかげんメダル外したらどないや?田舎モンみたいで恥ずかしいで」とチソン先生が笑いながら話した。
「ソンセンニム、ホンマの田舎モンに田舎モン言うたらあきませんやん」とスノが言った。「お前はバレーは上手いけど、ギャグはホンマにおもんないなぁ」「ソンセンニム、それは禁句ですよ〜」バスの中は始終笑いに満ちていた。
後ろの会話に加わることなくヒョングは黙々とハンドルを握る。いや、今のヒョングには笑い声も聞こえないようである。ヒョングの脳裏には数時間前に駒場の駐車場で見かけた光景が焼き付いていた。
大会表彰式の間、ヒョングはチョンファとバスで待機していた。表彰式が終わった足で和歌山に帰るためである。一行を待つ間、ヒョングは運転席に座って外を眺めていた。外を歩く集団の中に見慣れた顔を見つけた。ミョンスンだった。会いたかったミョンスン… うれしくてクラクションを鳴らそうとしたが、ヒョングはとっさに手を止めた。
ミョンスンは隣にいる長身の男性と親しげに話していた。笑うと目が線になる、あのかわいい笑顔を浮かべながら男性の目を見つめて話している。ミョンスンの髪にゴミでもついていたのか長身の男性がミョンスンの髪にそっと触れた。そこには恋人同士だけが放つ独特な空気が漂っていた。
…「ヒョング先生? どないかしはったんですか?」無言で運転するヒョングに助手席に座るチョンファが尋ねた。「普段は真っ先に学生たちの会話に加わる先生が今日はおかしいですわ」「ううん、別に何でもないよ…」
バスは夜の高速を走り続けた。対向車のヘッドライトが眩しい。ラジオから音楽が流れて来る。♬…大阪の海は〜哀しい色やね〜 さよならをみんな〜ここに捨てに来るから〜♬
白熱の試合の様子が臨場感あって魂が燃えますね🔥🔥🤣
青春時代を思いだしました⤴️✌️
そして、ミョンスンとの今後が・・・😭💔 ドンマイ🤣
きょうのイラストは可愛らしくてわかりやすくて大好きです。いつも思いますが、色が、なんと言うか色が・・・‼️ 説明難しいけど、なんかぶじゅぶじゅーって感じで混ざっててポップでとにかく綺麗で素敵⤴️
毎日楽しみにしています。