一般庶民はコロナにかかったら死ぬしかない？

今、新型コロナウイルスは第11波に突入したそうだ。でも皆さんはもう５類になったんだからただの風邪みたいなものだとタカを括っている人も多いと思う。

先日私の兄がコロナに感染した。感染した後に話を聞いてみたら、治療するのにめちゃくちゃお金がかかったという。まず受診と検査に5000円。抗ウイルス薬に3万円ぐらいかかったという。え～本当かよ？

帰って調べてみたら、新型コロナ感染症の治療薬のゾコーバ（５日分）はおよそ価格が５万2000円。これが３割負担の場合、自己負担費は１万5600円だ。

ラゲブリオは薬価が９万4000円だから２万8200円。パキロビットの場合は９万9000円だから２万9700円かかる計算になる。薬代だけで3万円に近い。べらぼうな金額だ！

そして入院したらもっとかかる。３月までは「高額療養費制度」が適用されていたが、今年の４月以降は補助がなくなり、コロナ感染で７日間入院した場合、治療薬の費用を除いて３万9800円から５万7600円ぐらい請求されるようだ。もちろん食事代は別だ。

お金がない人は「金がないなら治療拒否」ということになる。これからはコロナに感染したら「死ぬしかない」と覚悟する患者も出るのではないかと思ってしまう。

薬の値段は、製造原価、研究開発費、販売費などにプラスして、利益を乗せて算定されるが、製薬会社が儲けすぎではないのかと疑いたくもなる。

というのも、製薬会社のトップの役員報酬がめちゃくちゃ高いのだ。武田薬品工業の社長兼CEOの役員報酬の総額は、なんと20億8000万円だと報じられている。他の製薬会社でも役員報酬が１億円以上の経営者がゴロゴロいると聞く。製薬会社に言わせれば「命を守る仕事だからそれ相応の報酬があって当然」という理屈だろうが「年収1億円が普通」というのは、貧乏人の私から見たら異常な稼ぎだ。

しかし日本で「儲けすぎ」が批判されないのが不思議でたまらない。大手メディアはこぞって製薬会社の広告料をもらっているから強く出られないのかと勘ぐってしまう。また政治家の中にも政治献金をもらっているから強く出られないだろうか。