春のうららかさを感じよう

おかしな娘のオモロイ話(39)ー通院2

はとオッパの病院にて。初診でわかったことは、意外にも誰も健康でなかったということ。産後の私はともかく、自覚症状があった姉、健康にあれだけ自信があった父でさえも姿勢が悪く、身体が歪み、筋力チェックなどの評価が軒並み悪かった。歪みを直し、しっかり力が入る身体を取り戻すため、私と父は週一で通院することとなった。そして、その話を聞いた妹までも通院する気マンマン。

はとオッパに、母以外の家族がまるっとお世話になることになった。ただし、姉だけは仕事の忙しさによって通える頻度がまちまち。妹は妹で通い、私と父に関しては、私が毎度まとめて予約を取って父の運転で一緒に通院。たまにお昼も一緒に食べる。

通院3ヶ月目にして復職した私は、仕事帰りに病院へ通う。ついに父の送迎通院が終了してしまった。それでも私たちは、それぞれが都合のつく日に病院へ通い続けた。仕事を終え、パンパンに張った私の脚をチェックしながら、はとオッパが不思議そうに首をかしげる。

はとオッパ:とんとん(妹)と君は全然良くならないね。
私:うそ?!こんなに通っているのに?!
はとオッパ:うん。やっぱり、毎日休む間もなく仕事して大変なんだね。君は子育てもしてるし、休む暇ないでしょ?
私:そうだなぁ…
はとオッパ:アボジはめちゃくちゃ良くなってるよ。もうね、アボジは次回から月一でもいいぐらい。
私:・・・
はとオッパ:どうしたの?
私:アボジだけ長生きしたら、はとオッパ責任取ってね
はとオッパの目が、はとのように丸くなった。

私と、とんとんと、父。スタートはみんな一緒で通院ペースも同じだったのに、どうやら父だけがメキメキ回復し、良くなっているらしい。
それもそのはず。父はとっくに定年退職して、余生を優雅に生きている。仕事もなければ早起きもないし、ましてや過酷な孫育てもない。自由気ままに旅行に行って、疲れたら寝たいだけ寝て、釣りして山登って、美味しいものを食べて、たまに可愛い孫にチョコをあげて人気取り… 回復しないわけがない。
はとオッパ:楽しく楽に生きるのが長生きの秘訣だね。

健康は大事だけれど、父だけ元気になって長生きされてもな・・・ 脳裏に母の顔が浮かぶ。もしかすると私は、一番厄介なパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。