韓国で旅客機が滑走路外れ炎上、179人が死亡

年末の韓国で、また痛ましい事故が発生した。韓国南西部・全羅南道の務安ムアン空港で29日午前9時すぎ、済州チェジュ航空の旅客機が着陸時に滑走路を外れ、フェンスの外壁に激突して炎上したという。

韓国消防庁は乗客・乗員181人のうち、179人の死亡を確認したと発表した。消防庁によると、乗員2人は救助されている。

韓国国内で起きた航空事故としては、最悪の死傷者数に上る。事故機は旅客機はボーイング「737-800」型で、タイ・バンコクから務安空港へ向かっていた。

韓国消防庁は、2人を救出したと発表した。聯合ニュースによると2人は男女で、共に客室乗務員。機体の尾翼側にいたという。消防・救急当局は機体後方で救出・捜索活動にあたっている。

韓国交通部の当局者は同日夜、着陸しようとする旅客機に管制塔がバードストライク（飛行機が鳥と衝突すること）の危険を警告し、着陸を待つよう指示した。

約2分後に操縦士が遭難信号を通信。管制塔は反対方向からの着陸を許可し、操縦士はこれを受け入れたという。

現場映像には、車輪など着陸用の装置がないまま旅客機が着地し、そのまま滑走路を猛スピードで進んだ末に壁に激突し、燃え上がる様子が映っている。交通部によると、機長は2019年から機長として乗務しており、飛行経験は9800時間以上だったという。

ソーシャルメディアに投稿された未検証の動画では、旅客機が滑走路を外れて外壁に激突、機体の一部から炎が上がるのが確認できる。別の動画には、大きな黒煙が立ち上る様子が映っている。

済州航空は2005年に設立された、韓国最大規模の格安航空会社の一つ。同社が死亡事故を起こしたのは今回が初めてだ。