【投稿】辛ラーメンと誤嚥

数日前のこと。辛ラーメンを食べていて汁が気管に入った様子。誤嚥ごえんである。通常ならむせて終わるのだが、この日は違った。相手がカプサイシンのせいか息が吸えない。息が吸えないから咳も出せないし声も出ない。いわゆる窒息状態に陥ってしまったようである。

生憎あいにく、家でひとりで食事をしていたので助けてくれる人もいない。脳が「このままじゃ死んでしまう」と判断して咳を出そうとするのだが、息ができないので小さな咳も出せない。

だが、頭は冷静だった。「鼻から小刻みに息を吸え」と頭の中の自分がささやく。このような状況では鼻から小さく息を吸うのも至難の業であるが、鼻から小さく小さく息を吸った。数秒後、どうにか咳が出て窒息死は免れたようだ。

苦しみも徐々に治まり、何もなかったように辛ラーメンを完食。誤嚥など滅多にしないので「のど元過ぎれば熱さを忘れる」である。

高齢者に多いとされる誤嚥、やはり年には勝てないのか。いくら体が健康でも、いつ召されるかは誰にもわからない。もちろん自分にも。

「転ばぬ先の杖」で慎重になるか、「好きなように楽しく生きるか」思案のしどころである。