出棺は済んだが、告別式まではあと6日もある。アボジには誠に申し訳ないがこの間に、二泊三日のショートステイに行ってもらった。
帰ってきて職員さんから聞いた話だが、ショートステイでの三日間、アボジは通常よりも血圧も上がり突然、「自宅に帰る!」と言い出したらしい。職員がなだめたが、興奮したアボジは、持っていた杖を職員に振り回したそうだ。 アボジはオモニのことを突然思い出したのだろうか… 少しかわいそうな気持ちになる。
この間、告別式に流す自作動画を最終チェックして、兄弟たちのグループLINEに送る。兄弟たちも動画を見ると母の思い出が蘇ってくるようで、姉からはこの写真も出してよ、あの写真も出してよとダメ出しが入る。簡潔に仕上げたのだが、過去の写真や兄弟の幼かった写真なども取り入れて動画の時間を2倍に増やした。
姉からLINEが入った。とってもよくできている、動画を見ながら涙が出てきちゃったよとお褒めの言葉をいただく。
斎場には動画を再生するテレビが無い。葬儀屋さんに聞いたら、設置するのに約20万円ほどかかりますとのこと。 自宅のテレビとノートパソコンを持って行くことにする。
葬儀は一日葬の形をとるが、会場のお花の飾り付けや遺体のお化粧などは前日にするそうだ。 テレビを設置しに夕方斎場へ行く。
祭壇も綺麗に整えてあり、オモニの棺もすでに安置されていた。自宅から持ってきたテレビを設置する。明日はオモニとの永遠の別れとなる。寂しさというのは後々じわりじわりと来るのであろうか。 そんなことを思いながら私は斎場を後にした。
うちは両親共にはやく亡くしました。長い期間ご両親と過ごせて幸せでしたね。後からじわじわと寂しさが来ると思います。アボニンの事もあり大変でしょうがご自愛ください。