4年に一度、夏季オリンピック開催の年に行われる米大統領選がいよいよ始まる。
「ハリス」対「トランプ」
今回の大統領選は民主、共和両党がそれぞれ候補者を擁立。事実上の一騎打ちで行われる。当初は民主党で現職のジョー・バイデン大統領(81)と、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が対決するという前回選挙と同じ構図だった。
しかし、6月に行われたテレビ討論会で、バイデン氏は言葉に詰まるなど精彩を欠き、高齢批判から支持率が低迷。一方のトランプ氏を巡っては、7月の演説中に銃撃を受け一命を取り留めるという衝撃的な事件が発生。凶弾を受けても星条旗を背に拳を突き上げる姿で、一気に党内の結束を固めた。
奇跡とも言うべきトランプ氏への強烈な追い風により、一時は「もしトラ」から「ほぼトラ」へと一気に選挙戦の流れが決まるかに見えた。バイデンは7月、劣勢が強まる中で選挙戦の撤退を決断。選挙戦が残り100日と迫る中、異例の候補者交代となった。カマラ・ハリス副大統領(59)が8月の党大会で後継候補として指名されて、民主党は支持を取り戻し、勢いを増した。
大統領選の焦点は、多数の訴訟を抱えながらも人気を維持するトランプ氏の再登板を巡る是非から、アメリカ史上初の黒人・アジア系女性の大統領が誕生するかに一変。両陣営は短期決戦に突入した。
538人の「選挙人」を競う
この2組から次の正副大統領を選ぶのは、有権者登録をした18歳以上の米国民だ。ただ、大統領選は有権者が直接候補に投票するのではなく、それぞれの候補を支持する「大統領選挙人」を選ぶ間接投票という独特の仕組みで実施される。
選挙人の定員は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人で、候補たちはこの人数を競う。過半数の270人以上を獲得すると大統領に選ばれる。
各州の選挙人の割り当ては、各州2人の上院議員と人口に応じた配分の下院議員の数の合計と同じ。選挙人が最も多いのは、人口も最多のカリフォルニア州で54人。一方、最少はアラスカ州やバーモント州などと首都ワシントンで3人となっている。
「勝者総取り」システム
有権者の投票用紙に記載されているのは正副大統領候補の名前で、48州と首都ワシントンでは、得票が1票でも多い候補がすべての選挙人を獲得する「勝者総取り」というシステムを採用している。米国の開拓時代から残る「各州の独立性を重んじ一つの国として見立てる」という考え方に基づくものとされる。
こうした選挙人や勝者総取りの仕組みにより、全米の総得票数で相手を上回った候補が選挙人数で敗北することもある。16年のヒラリー・クリントン候補はトランプ氏より約290万票多かったが、選挙人数では232人対306人と逆転を許し落選。16年を含め同様の事例は4回起きている。米国内でも、得票総数が最終的な勝敗結果に反映されないケースが生じることを疑問視する声もあるが、「州ごとの意思表示」が重視されてきたため、200年以上、この仕組みを維持している。
「青い州」「赤い州」と「激戦州」
伝統的に民主党は都市部、共和党は農村部で支持が高いと言われている。ほとんどの大統領選で民主党候補が勝利する「ブルー・ステート(青い州)」と、共和党候補が勝利する「レッド・ステート(赤い州)」に色分けすることができる。青と赤は両党のシンボルカラーだ。
そのどちらでもなく、大統領選ごとに投票結果が変わるのが「激戦州」。「スイング・ステート(揺れる州)」とも呼ばれ、両党の支持率が伯仲しているためわずかな得票差で勝者が決まることもある。大統領選ではこれら激戦州での勝敗が命運を左右する。
激戦州はアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの各州で、選挙人数は計93人。この7州をどう攻略するかが最終結果に大きく関わる。両党共に重点的にキャンペーンを展開している。
さあ、大統領選の行方や如何に…。
胡散臭いトランプは嫌いだから、ハリスになって欲しい。アジア系も好感度ある👀