【投稿】追悼文を送らない都知事と送る県知事

皆さんもご存知とは思いますが、日朝協会が1973年９月に東京都に寄贈した関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑は、墨田区横網町公園内にある。

追悼碑で行なわれる式典には1974年当時の美濃部良吉知事以来43年間、必ず歴代の都知事が追悼文を送っていたが、小池百合子都知事になってからは、８年連続で追悼文を送らなかった。

小池都知事は、都内の慰霊堂で行われている大法要で、全ての震災犠牲者を慰霊していると弁明しているが、自然災害による犠牲者と、虐殺という人災による犠牲者とでは、犠牲者の性格が全く異なる。追悼文を送らないということは、認めたくない過去を黙殺すると共に、外国人差別や排外主義を助長する行為であると言わざる終えない。

しかし、東京都以外の首都圏の自治体では、関東大震災朝鮮人犠牲者の追悼式典に、自治体の主張が追悼文を送る動きが広まっている。

市民団体が千葉県船橋市で開いた、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典には、千葉県の熊谷知事が初めて追悼文を送付している。

また ９月４日、さいたま市で行われた関東大震災の朝鮮人虐殺事件で犠牲になった姜大興さんをしのぶ市民団体による追悼式には、埼玉県の大野知事が初めて追悼文を送付している。

埼玉県本庄市と熊谷市上里町では、関東大震災で犠牲となった朝鮮人を追悼する式典を長年続け、この式典には市長も出席している。

本庄市の吉田市長は「過ちを繰り返さないために、何が起きたかをきちんと調べ、殺された人の無念に思いを寄せて追悼することは大事」だと語っている。

歴史を直視しようとしない日本政府や小池都知事は、こういう本庄市の市長の姿勢を学ぶべきだと思いますが、小池さん、いかがでしょうか。