【投稿】新紙幣はタンス預金のあぶり出しが狙い？

1万円札、5000円札、1000円札の新紙幣の流通が、7月3日に始まった。

財務省は5年前の2019年4月に「偽造抵抗力強化」などを理由に掲げて新紙幣を発行すると発表したが、これとは別に、財務省が公言しない新紙幣発行の狙いは2つあると考えている。

一つ目は、現金を自宅で保管する「タンス預金」をあぶり出すことだ。日本は世界的にも高齢者を中心にタンス預金が依然として高い水準にあるという。タンス預金は資金洗浄や脱税、租税回避の温床になりうると財務省当局は見ているのだ。

その発表後に、タンス預金の増加率は低下しているとのグラフもある。これは日銀の「資金循環統計」でも確認できる。

当局が公言しない二つ目の狙いは、主要国に遅れを取っているキャッシュレス決済の普及を促すことだ。

クレジットカードやQRコード決済など、インバウンドの消費の拡大や、現金の残高を確認する作業を省力化することが期待できる、人手不足の緩和や生産性の向上、そして金融機関や小売業を中心とする現金決済に関わるインフラのコスト削減などが掲げられる。

では、今回の新紙幣の改刷により、北朝鮮の事情はどうであろうか。もうだいぶ昔の話になるが、短期祖国訪問団で北朝鮮に行った時、ちょうど日本では新札が刷新された年だったので、訪問先で旧札と新札を交換してほしいとせがまれた記憶がある。

きっと、北朝鮮の国内で旧札が使えないとウワサを流したのは、北朝鮮の政府だろう。日本と同じく、北朝鮮の国内にたまっている外貨のタンス預金のあぶり出しだと思うけれども、この度の財務省の新紙幣発行も、すでに旧紙幣を大事に持っている帰国した親戚のウワサになっていると思う。

8月から朝鮮大学生の祖国訪問が始まるという。お小遣いは旧札ではなく、新札を持っていくようにアドバイスする。