「コンコン」音楽室の奥の部屋のドアをノックすると中から先生の怒鳴り声が聞こえた。
「だから言ってるじゃないですか!いいですか?この舞台はこの子達にとってはただの舞台じゃないんですよ。高校時代の最後を飾る大切な舞台なんです。なのにあの大学生達の態度は何ですか?また同じような態度、姿勢で参加するようなら私達だけで演奏します。はい、本人達にきつく言っておいて下さい!」『ガチャッ!』受話器を置く音が聞こえた。
「コンコン」もう一度ノックをした。「はい!」と 声が聞こえて ドアが開いた。「お、来たか…ま、入れ」と言って椅子に座った。「どうした?」と先生が言った。部長が「やはり先生も思ってらっしゃったんですね。朝大生…」と言うと、先生は何も言わずに皆の顔を見た。
KRは意を決したように「先生、CFにコンマス(※注)やらせて下さい。そして、メインを朝高生に戻して下さい!このままじゃ絶対良い演奏なんて出来ない!」と涙交じりで訴えた。※(コンマス=コンサートマスター。楽団の演奏の取りまとめ役、ここではソヘグムの第1奏者が担う)
「お願いします!」と皆涙ながらに訴えた。先生は「君達の気持ちはよく解ったから…先方にも伝えたから心配しないで自分達の練習をしっかりしなさい。」と言った。一同は頭を下げて部屋を出た。
次の合同練習の日。朝大との対面会議が開かれた。朝高生達は 思いの丈を放った。「悔しくて悲しくて眠れない日が何日も続きました。」とKRが口火を切った。「オッパ、オンニ達にとってはただの腰掛のつもり… かも知れませんけれど… 自分達にとって…この公演は、3年間の…最後の舞台なんです。だから…中途半端な気持ちで舞台に上がって欲しくないんです!」
KRは詰まりながらまた、涙ながらに訴えた。下を向いて黙って聞いていたCFが顔を上げた時、二つ上のM先輩と目が合った。先輩はニコッと笑って頷いてくれた。(解ってくれてるんだ언니…고맙습니다. 언니…)涙が溢れた。
対面会議が終わった後からは雰囲気がガラリと変わった。席も朝高生を中心に座るようになり楽曲も出来上がって来た。「さぁ、いよいよ明日は本番です。最後の舞台を最高の演奏で締めくくり、同胞達に力を与えましょう!」と最終日の練習を終えて部長が声を上げた。
民管のいや 芸術ソジョの部員たちは、自分らの3年間の成果を発揮すべく練習に没頭し、いよいよ 9/26 当日を迎えた。
CFは 眩しく降り注ぐカクテルライトを浴びながら、舞台の上にいた。弾き出す一つ一つの音を噛み締めながら、自身の今までの事を振り返っていた。
楽しかった事、悲しかった事、悔しかった事、嬉しかった事…様々な思い出が頭をよぎる。
3年間苦労を共にした同級生達、初めて部室で顔を合わせた時の 堅苦しい雰囲気、先輩に怒られて泣きながら練習を重ねた日々、練習を終えてみんなで笑いながら歩いた十条銀座、女子だけで行った御宿の海、2年連続で競演大会がないと聞いた時の嘆き、朝大生との葛藤 そして…今日のこの最後の舞台…CFにとってかけがえのない宝物であり、一生の忘れられない大切な思い出である。
曲はクライマックスに差し掛かる。「ジャジャン!」… 部長の指揮棒が止まった。いっときの静寂の後で、割れる様な拍手が沸き起こった。皆やり切った表情で満足気に微笑んでいる。 CFは目が潤んで下を向いた。暗転後、M先輩が優しく肩を叩いてくれた…
舞台袖に出たCFに「CF、良かったよ!おつかれ!」と声をかける人物がいる。
舞踊部のス◯だった。
そもそも朝大とコラボする意味がどこにあったの?👀
朝高生の方がレベルが高ければ、朝高生だけで演奏した方が良いのに~
このような演奏会では、楽器を弾いてふりをする「口パク」みたいのはやってはいけないの?😢
朝大生はすべて「口パク」! これで決まり!
色んな意味で振り回されたね。そんなこんなも過ぎれば思い出ですね。青春だー💕
朝高生の熱量が大学生を動かしたね。丸く収まってめでたし、めでたし。同窓会の東天紅もその熱量でお願いね🙇