「2035年以降はエンジンを搭載した新車販売を禁止する!」2021年にEUが打ち出した方針だ。 ガソリン・ディーゼルを問わず、CO2を排出する内燃機関を減らそうという取り組みだ。
「崇高な理念」に根ざしたEUらしい未来志向の趨勢を感じるが、理念だけは大変素晴らしいと言うべきでしょうか。 理想論というのは耳触りはいいが、現実から乖離した目標は竜頭蛇尾に終わるのが世の常だ。結局今年の3月には、一部のエンジン車を許容へと方針転換がなされた。
電気自動車にシフトするためには、ただ電気自動車を販売すればいいわけではない。ガソリンスタンドに代わる充電ステーションも設けなければならないし、何よりバッテリーが劣化するので、定期的な交換が必要になる。 バッテリーのリサイクルや生産ラインの強化も忘れてはならない。
しかし、そもそも電気自動車を推奨したEUは、いまや電力不足の状況にある。電気自動車のために、わざわざ火力発電所を増設するようでは、逆に本末転倒になる。加えて極端な社会転換は、雇用を不安定化させかねない。
現実を直視しないで「理念」ばかり追求するようでは、立ち行かなくなることは火を見るより明らかだ。無理なものは無理。より現実的な対策が必要だと思う。
近頃、中国の電気自動車の生産台数は、二位に大差をつけ今や世界第一位に躍り出ている。国内の普及も急激に進み、先進国でもトップクラスの伸び率になったが、中国政府が補助金を出して後押しし、台数が急激に伸びたのも確かだ。
そしてこの支援は昨年末で終了した。さて、中国での電気自動車の行方はどうなるのだろう。経済音痴だと批判される中国政府の過剰なまでの投資が産んだツケが出ているとも聞く。
私も学生の一時期に、マルクス・レーニン主義に傾倒して、弁証法的唯物論やマルクス主義経済学などを熱心に読んだ記憶が蘇ってくる。
資本主義経済を痛烈に批判し、社会主義計画経済という「崇高な理念」に少しだけシビれた時期があったが、そのような理想論は所詮、現実から離れた「理想」だということに気づいたのは大学の授業であった。
そして「チュチェ思想」という哲学や経済学などの講義も受けたが、これも理想論を体系化した膨大な空想論に過ぎなかった。おまけにその哲学を体系化したのは、その後韓国に亡命した黄長燁だったので、今となってはお笑い草だ。
最近は北朝鮮でも「チュチェ思想」なる言葉が聞こえなくなった。それに替わって今では「先軍思想」なるスローガンだ。全てにおいて軍事を優先させ、推進させるという事らしい。つまりアメリカに届く核兵器を持って、核大国の仲間入りを果たそうとしているのだ。
またこの頃は「先軍政治」という表現を避けて「軍事優先」の表現が使われるようになった。 時代とともに次々と変わるスローガン。
勇ましいスローガンを掲げるのは結構なことだが、現実を直視しないできれい事を並べても、所詮それは竜頭蛇尾に終わるということを北の指導者は忘れてはならない。
※竜頭蛇尾とは?
「竜頭蛇尾」は四字熟語で、最初は勢いがよいが、終わりのほうになると振るわなくなることを意味します。頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のようにか細くて、前と後とのつりあいがとれない意味からきています。
電気自動車から~なんでチュチェ思想まで話が飛ぶの?
よほど嫌な思いをしたの?学生時代に💦
でも、空想だけじゃだめだよね👀 現実を直視しなきゃ👀