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3年12班の愉快な面々 12

立ち上がったス◯は下を向く同級生を見回しながら言った。

「みんな、悲しくて辛くて悔しくてやり切れないけど、最後までやり遂げようよ。先生がおっしゃった『私達にしか出来ない事』を見せつけてあげようよ!今全国の朝高の中で私達以上の舞台は披露できない事を証明して、中止にした人達を見返すくらいの素晴らしい舞台を披露しようよ!私達の舞台は、私達の『활무대』は誰のものでもない、私達のものだから!」魂から絞り出す様なス◯の呼びかけだった。

また沈黙が流れた。
すると背は低いがエネルギッシュな◯ミが「このままじゃ終われないね。」と口を開いた。「一花咲かせますか!」「やっぱり東京朝高の舞踊部が一番だって認めさせなきゃね」おのおの声をあげた。

彼女たちの顔には自分達の舞台を輝かせて見せると言う強い決意がみなぎっていた。すでにすすり泣く声は聞こえなかった。

教員室で部長とス◯は先生に報告をした。先生はホッと溜息をついて「そう、よかった。ありがとう。」と2人の手を握った。

「特にス◯。よく気持ちを切り替えてくれたわ。あなた独舞で金賞取って歌劇団に入るのが夢だったんでしょう?」
「…はい。でも一緒に汗をかいて来た仲間とまだ終わりたくないし、やっぱり最後の舞台は輝かせたいですから…」と先生の目を見ながらしっかりと答えた。

「そうね、頑張ろうね。みんなの最後の舞台にふさわしい素晴らしい作品を作るから!」と今一度2人の手を握った。
2人は「よろしくお願いします。」と挨拶をして教員室を出た。

「本当によく切り替えたね。ス◯の呼びかけがなかったら終わってたかもしれない」と部長はしみじみ言った。「それは無いと思うよ。皆やっぱり最後までやりたかった筈だから…私が代弁しただけよ」

「いずれにしてもありがとう。明日からまた頑張ろうね」と言って十条の駅前で別れた。部長は東十条に向かって歩いて行った。

十条駅のプラットホームに黄色い赤羽線が入って来た。隣の車両にはサッカー部の後輩達がはしゃいでいた。ス◯は1人になって今日1日にあった事を振り返っていた。発表を聞いた瞬間の虚無感、部室でのやり取り、頑張ろうと言う同級生の顔、そして…

池袋で乗り換えて隣の山手線のホームに立った時、後ろから「ス◯」と声がした。振り向くとSスが白い歯を出して笑っていた。

「あ、Sス。どうしたの? 予備校の帰り?」「うん、今日も勉強だよ、受験生だからな。今日もクラブ?聞いたよ。あの、その…でも、大変だな…その目標がさ…」

Sスは気を使ってはっきりと言えないでいる。ス◯はそのSスの気持ちが痛いほど良く分かったし、気を使ってくれるその気持ちが嬉しかった。

なぜだか急に涙が溢れて来た。今まで同じ舞踊部の前でも、先生の前でも決して流さなかった涙が、いま何故かSスの前で溢れている。

なぜ流れるのか戸惑いながらも、一度崩れた感情は止めようにも止まらない。下を向きながらス◯は人目をはばからず嗚咽した。Sスはびっくりして思わず、それでも優しくス◯の顔を胸に抱きしめた…

はい、今日はここまで
次回はどうなるのか?
私の気持ち次第ですが…(^^)

2 COMMENTS

そして~?そして~?

良いね~イイネ~💓
だんだん盛り上がって来ましたね~😁
そして、ホームで人前で~ぶっちゅ~💋ってやったんですか?変なドラマの見過ぎ💦👀
投稿者さん~👂 是非ともドラマチックな展開にしてくださいね👏

🆖

高校生がホームで⁉️そりゃ❌ですね~。

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