【健康】目まいの原因はメニエール病かも？

ある日、前触れなく強いめまいに襲われる。人によっては一時的に耳の聞こえも悪くなったり耳鳴りがするなど、衝撃的な症状で始まるのが「メニエール病」だ。

この発作は、数分間から数時間程度続いては治おさまるが、忘れた頃にまた再発する。軽症者の中には二日酔いかと勘違いして放置し続け、発作のたびに少しずつ聴力が落ちていくこともあるという。

耳は音を聞くだけではない。鼓膜の奥の内耳では、前庭の中にある耳石器が頭の傾きを、また三半規管が頭の回転を感知している。

ここから脳に伝わる情報が、目から入る視覚情報と合致しないと脳は混乱し、めまいを引き起こすとされている。 目が正常に見えるなら、問題が起きているのは耳である可能性が高いのだ。

よく似た症状の別の病気に「突発性難聴とっぱつせいなんちょう」、または何らかの原因で耳石器から脱落した耳石が三半規管に迷い込み、三半規管を撹乱する「良性発作性頭位りょうせいほっさせいとういめまい症」などがあり、鑑別が難しく誤診も少なくない。なので専門医では、ガイドラインの項目すべてを満たす発作の反復を確認して、初めて確定診断を下すのだそうだ。

この病気は1970年代には男性が多かったが、80年に入ると女性が多数となった。なぜこのような病気が起こるのか確定的なことはよくわかっていない。しかし、発症年齢の分布を見ると現役世代、つまり社会的にも家庭的にもストレスがかかっている年代が多い。

この病気は発症後2～3年で良くなる患者もいるが、生活がままならなくなる人もいる。少しでも疑わしい症状があるなら、すぐに耳鼻咽喉科専門医に相談しよう。

また患者の多い職業を見ると、デスクワークに滞りがちなものが多いという。仕事中で体を動かす機会の少ない人は、運動不足にならないよう心がけ、体と血液内のリンパ液を回し続ける方がいいと思う。