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小説「PACHINKO」を読んで

去年の9月、この本がとても良いとブログで紹介された小説「パチンコ」。全米で2017年2月に発売されたこの本は、またたく間にベストセラーになり、その年の全米図書賞の最終候補になった。

本を読んだ読者の評価も異常なほど高かったようだけど、正直私はさほど読みたいと思ってはいなかった。

在日コリアン一家の四世代にわたる物語という内容紹介を読んでも、アメリカ人には珍しさがあるだろうが、ましてや在日の私たちが得るものはないだろうと思ったし、題名の「パチンコ」というタイトルもいかにもわざとらしい。私的には在米韓国人が在日の物語を書いたという事も気に入らなかった。

小説を読み終えた今思うと「内容も知りもしないで、勝手にああだこうだと決めつける悪い癖は本当に直さないと」と今更ながら反省している。

きっかけは一ヶ月前の後輩のlineだった。「この本読んだ?とっても良かったので是非読んでほしい」とのことだった。「ああ、その本なら知ってるよ」とlineで返したが、後輩が背中を押してくれたおかげで、図書館で借りて読んでみたのだ。

小説を読んでみて率直な感想は、題名や著者の先入観で「食わず嫌い」をしてきたのを正直後悔した。

タイトルや内容から、私が抱いていた期待を良い意味で裏切ってくれたすばらしい内容だ。在日だからこそ感じる人種や国籍、そして露骨な差別。また生まれ育った環境や背景などが、登場する人物に感情移入できる体験だった。

著者は在米韓国人でありながら構想から約30年間にわたり、資料集めや数多くの在日同胞などから話を聞き、この小説を書き上げたそうだ。

小説は1910年から1989年までの、約80年にわたる物語だが、話そのものがフィクションでがは無く、ノンフィクションのように感じてしまうのだ。

生まれ育った環境は、小説の主人公やその子供たちと違いこそあれ、似たような境遇で育ったわれら同胞や同級生を何人もみてきた私にとっては新鮮だった。

新型コロナで在宅ワークや自分時間が、この頃増えているという。こんな時期だからこそ、図書館で借りて読んでみてはどうだろうか。

6 COMMENTS

オバマも推薦

1度ならず2度も薦められると興味が俄然わいてきました。ちょうど昨日図書館に寄り、新しい本を借りてしまったので、これを読み終えたら「パチンコ」探してみよう。
それにしても、この記事昨日載せてほしかったーー‼️笑

ネット予約

「読まず嫌い」は注意しないとね。私も図書館に予約を入れました。

韓国映画大好き💕

これ、来年韓国で映画化されます

パチンコ読者

私も一言。おすすめの良い小説です。でも日本のメディアはこの小説についてあまり取り上げていないよね、全米では話題の小説なのに…。
小説「パチンコ」では主人公や家族、在日朝鮮人に共通する貧困と差別、日本人に同化することの可能性と限界…。こういうのを否応なしに語っています。結局のところ日本人による在日朝鮮人への差別や偏見というのは、植民地時代から続く侮辱や嫌悪が根源となっているんだと思います。現在のパチンコに対する規制や経営の現状も、在日朝鮮人が置かれている社会的立場の縮図になっていると思いませんか。私たちは日本社会に定着しています。でも在日朝鮮人はいつまでたってもその一員だと法的に受け入れられているわけではないという事も私たちは忘れてはならないと思います。

無限ループの差別問題。

この本の内容では無く、従来からの差別問題についてのコメントです。

日本人の在日に対する差別は多分無くならないでしょう。また今、日本に存在する別の差別問題も、数え上げたらキリが無い程無数に存在します。コレらも決して無くならないでしょう。
アメリカ社会での差別問題は、日本以上に深刻です。米国は基本白人社会です。白人以外は全てマイノリティーとして扱われています。(数では無い)アジア人の在米韓国人達我々以上にさぞかし苦しんでいる事でしょう。

先住民や黒人問題はもっと酷いです。黒人達は人身売買により奴隷として鎖に繋がれて無理矢理に連れてこられた人達です。更に、先住民達は皆殺し同然ですよ。そして、白人達の中にも明らかな差別問題が存在します。ユダヤ人、宗教差別も。世界中何処もかしこも、差別問題だらけです。
人がいるところ差別あり。全ての発端は線引きが原因か⁉️それとも人間性そのものがそうさせているのか⁉️多数派が少数派を攻撃する構図はまるで顕微鏡越しに覗き観る小さな微生物の世界と同じ。これは本能?

人類共通の敵と対峙する今、コロナ禍でさえ、団結どころか人は犯人探しに躍起です。米国は中国を激しく批難しました。結果、戦犯は?アジア人が悪いに。道ゆく無関係なアジア人女性が白昼堂々街中で暴行を受けています。暴行する相手は何故か?黒人やヒスパニック系の人達?
また一つ差別問題が始まった…。

一度目の推薦者

去年書店でこの本を見かけた時は正直、表紙の色が赤と緑で村上春樹の『ノルウェーの森』に類似!……内容はどうかなぁ?と躊躇しました。でも古典的な朝鮮刺繍をじーーっと見てるうちに「あっ、この色合いも朝鮮の古典の色だ❗」と沸き出てきたんです。
またの推薦。大変嬉しく思います😉

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