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【スマホ小説】ボス 21

ミスはジホと車に乗り込むと「まずはテレビ局に行くわよ」と指示した。「はい」と答えるとジホは車を発進させた。「でも、あの噂は本当なんですかね?にわかに信じられませんよね?」とジホは言った。

「どんな噂?」「え、知らないんですか?金ハヌルが仕事を干されてると言う話…」「聞いてるけど…と言うかあまり先入観を持たない様にしてるの。じゃないと客観的に物事を見れないでしょ?偏った目で見ると真実が曇ってしまうからね」と言うとジホの肩をポンポンと叩きながら「あなたも基本姿勢を忘れちゃダメよ」と言った。

「わかりました。注意します」と答えた。(案外素直な子ね)ミスは好感を覚えた。

2人はテレビ局の駐車場に車を停めると玄関に向かった。さすがは韓国を代表するテレビ局である。ロビーは広く床はキレイに磨かれ輝いている。吹き抜けの天井には照明が眩しいほど光っている。大理石で統一された床と壁は重厚感を感じさせ、ロビーの中央にはインフォメーションが置かれ、綺麗な女性が座っている。

ミスは躊躇なく近付くと名刺を見せて「ショッキングトゥルースのカンミスです。朴PⅮと会う為に来ました。アポは取ってます」と言った。暫くすると案内係が来て応接室に案内された。

取材内容を確認していた2人の前に朴PⅮが現れた。ミスは名刺を渡した後「今日は取材に応じていただきましてありがとうございます。早速ですが…」と取材を始めた。


「何となくはっきりしないんですよね。あのPⅮの態度も煮え切らないし…」「そうよね。質問にちゃんと答えないし…」「ですよね。でも…何かありますよ。この一連の金ハヌルに対する嫌がらせには…」とジホはミスの顔を見た。

ミスは「ついでだからスタッフにも話を聞いてみようか?内緒で…」と歩き出した。目の前にドレッシングルームが見えた。ドレッシングルームを覗くと1人の女性がメイク道具を整理していた。見る限りメイク担当のようだ。ミスはその女性に話しかけた。

「あのー、金ハヌルさんの件で幾つか聞きたい事がありまして…」「え…はい…」と小柄だがポッチャリした愛嬌のありそうな女性が答えた。

「金ハヌルさん、仕事が減ったって本当ですか?それと待遇も大分悪くなったと聞きましたが…」しばし沈黙した彼女は「…はい、あまり詳しくはないんですが、確かに仕事は減りましたよ。びっくりしたのは待遇の変化ですね。こんなに極端に変わる?って位変わりましたから」「例えば?」ジホが追い討ちをかける。

「う〜ん、楽屋が相部屋になったり、立ち位置がメインからサブに落とされたり、スタッフ達の態度の変化ですね。中には平気でタメ口をきくディレクターもいましたから…」と顔色を曇らせた。ミスは「ハヌルさんは何も言ってませんでしたか?」と聞いた。「何故だろう?と不思議がってました。全ての待遇が一気に変わったので戸惑ってましたよ。ちょっと参ってた感じでしたね」


「それにしてもおかしいですね。他のスタッフに聞いても同じ様な答えだったし…」とハンドルを握るジホが不思議そうに話した。ミスは「ただ、みんなハヌルに対する待遇の変化をおかしく思ってるって事ね。突然待遇を特AからBランクに落とすと指示があったって事が新しい発見ね」と言った。

暫く考え事をしていたジホはボソリと呟いた。「でも、それっていつからなんでしょうね…」「えっ!?」(確かにそうね…そこら辺に鍵があるかも…この子、中々やるわね)

不意をつかれた様にミスはジホの顔を見た。そして「急いで会社に戻って取材を整理するわよ。さぁ面白くなって来た!」と声を上げた。

ジホは、ポカンとミスの顔を見て「はい!」と答えるとアクセルに力を入れた。

続く

1 COMMENT

くろ~い 幕

黒幕~ 黒幕~ 💦
今回は、この二人の会話で終わっちゃいましたね~😢
このジホも、のちのち関係してくるのかなぁ~と、変な想像をしちゃいました~💦
んで? んで? それから? それから?

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