同窓会の準備を始めよう

【スマホ小説】ボス 35

次の日「28プロ」はひっくり返った様に騒がしかった。ひっきりなしに電話は鳴って、職員は対応に追われた。

「ですから当方でも正式にコメントを出しますので…はい、はい…」「今現在確認中です。確認が取れ次第コメントを出します。はい、それも検討中です」「いえ、ご心配なく。ありがとうございます」雑誌社やテレビ局、そして一般のファンからも問い合わせが尽きなかった。

社長室では社長とチ、そして金ハヌルの3人が対策を練っていた。ソファを挟んだテーブルの上に雑誌が置いてある。

『ショッキングトゥルース』と言う表紙の下に「金ハヌル失踪か?裏に男性の影」とデカデカと書かれている。そして「お相手は在日の影のあるナイスミドル」と副題まで付いている。そして『ファラン』の看板と店の中で話し込む3人の姿、そして何より目を引く構図でマンション前でボスとハヌルがハグをしてる写真が大写しで載っていた。

社長は苦虫を潰した様な表情で雑誌を睨みながら「ふ〜…」と息を吐くと「困りましたね」と天井を仰いだ。「ご迷惑をおかけしてすみません」とハヌルは社長に謝罪した。「過ぎた事はしょうがありません。問題はこれからです。どう対処するか…が大切ですよ」と言った。

「こう言う時は早めにコメントを出して沈静化させるのが一般的です」とチは言った。「でも会見をしろと言う要望が強いんですよ。中々無視できない問題ですから」と社長は迷ってる様子だ。

「でもハヌルを出すのは…」とチが言うとハヌルは意を決したように「私やるわ。会見」と言った。社長とチは驚いて「ダメです。あなた、あの場がどんな場か解ってますか?下手するとタレント生命が無くなるかも知れないんですよ」と社長は言った。

しかしハヌルは「やるわ。何もやましい事はしてないし。何よりその場にはチちゃんも一緒に居たじゃない。私、負けないわ、絶対に」と言った。

暫く考えたチは「そうね、社長。ハヌルの言う通りです。何もやましい事はないのに黙ってたらかえって面白おかしく書かれて、収集がつかなくなります。早めに会見を開いて根を絶った方がいいわ。社長、今晩やりましょう。すぐに…」と賛成した。

社長は2人の顔をジッと見て「わかりました、やりましょう。今日の夜」と言うとすぐに各報道機関に連絡を入れた。

「ショック」編集部はお祭り騒ぎだった。何と言ってもトップスターのスキャンダルを単独のスクープで出したのである。デスクは「よ〜し、200万部は堅いぞ!ミス、ジホ!よくやった!社長から金一封だぞ」と言うと封筒を高く持ち上げた。「ウォー!」と言う歓声が上がり拍手が起こった。

「ありがとうございます。やったー!」と2人は喜んだ。「よくあんなスクープ撮れたな」と皆が褒めると「たまたまよ、たまたま…」とミスは笑顔で答えた。

その時テレビで『28プロ』が本日19時より緊急会見が開かれるとテロップが流れた。

続く

1 COMMENT

ショック~💦

ほ~らね。 ボスとのハグ写真撮られちゃった~💦
しかし、憶測だけで記事書かれたらたまったもんじゃないよね~😢
私なんか、素行を記事にされたら、もう~それはそれは人間失格ですよ~💦
んで? んで? そろそろクライマックス?

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