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【スマホ小説】ボス 49

次の日、ホソンの映画館で試写会が開かれた。前回は特に注目を浴びなかった試写会だが、今回は違った。

前作の不評による主演の降板、それがある嫌がらせによるものだった事が明るみに出て主演の再登板。主演女優に対する異常な執着から起きた傷害事件とその被害者と主演女優との関係、またその主犯が、何と大企業の娘婿で主演女優の元カレ…注目する話題が多い中での試写会、そこに話題の主演女優が来るとなると嫌が上にも盛り上がる。会場には数台のテレビカメラを始め数十人の記者達が集まった。

眩いフラッシュがたかれる中、白いチョゴリに身を包んだハヌルと監督、出演者が舞台に上がった。一斉にフラッシュの雨が降る中、ハヌルが堂々とマイクを握った…

帰りの車の中、ハヌルは無言で外の景色を見ている。チはそんなハヌルの様子を見ながら「そんなに気にする事はないよ。ボス氏も何か用事があったのよ」と励ました。暫く無言で外を見ていたハヌルは、決心したように「今日『ファラン』に行くわ。はっきりしなくちゃ」と言うとチの顔を見た。

チは小さくため息をついて「わかったわ。ただ、ホソンさんも呼んで打ち上げと言う名目でね」と言うとホソンに電話をかけた。

ホソンから、今晩ハヌルを連れて打ち上げに行くとの連絡を受けたボスは「わかった」と静かに答えた。そして意を決したように天井を見上げた。何日か前のサンホとの対話を思い出していた。

「それでねボス君、ひとつ聞いておきたい事があるのだが…ハヌルの事はどう思ってるのかね?」唐突な質問だった。暫く考えたボスは意を決して「素敵な女性だと、大切にしたい女性だと思っております」とサンホの目をまっすぐ見て言った。

サンホは、その目つきに押されそうになったが、ここでひるむ訳には行かない。「実はねボス君、ハヌルもねあなたの事が好きみたいなんだ…」こう話したサンホはボスの顔を見た。ボスは正直驚いた。確かに多少は自分に好意は持ってる事は気がついた。ただ、相手は韓国のスターである。そんな事がある筈がないと思っていたからだ。そんなボスの表情を見てサンホは話を続けた。

「ただね…今の状況でその事が公になるのは、ハヌルにとってまた新たなスキャンダルを呼んでしまうかも知れない」「…」ボスはサンホが何を言いたいのか解った。「だから、言いにくい事なんだが…」と話すとボスは手を出してサンホの言葉を遮った。そして暫くの間、心の中で激しい葛藤を繰り広げた。

(俺は正直ハヌルさんに惹かれている…彼女も自分に好意を持ってくれているらしい。とても光栄だし、嬉しい事だ。でも、本当にそれで良いのだろうか?今回は運良く致命的なスキャンダルにはならなかったけどこれから先、自分のせいで彼女に迷惑がかかるんじゃないか?現にあの子供の手紙もそうだ。やはりハヌルさんは俺とは関わらない方がいいんじゃないか…整理がつかないな…)

ボスはサンホの目を見て「すみません。少し時間を下さい」と言った。サンホは頷きながら「解りました。ただ、あまり時間がないのはわかってますね?」「はい…」と答えたのだった。

ボスは携帯をとってサンホに電話をかけた。そしてたどり着いた答えは…(愛する相手の為になる事が一番大切だ。たとえ自分はどうなろうとも…)と言う事だった。ボスは深く息を吸い込んで話した。

「もしもし…はい、私です。昨日のお話の件ですが…会長のお言葉に従わせて頂きます。私の感情より彼女のために何が必要かを優先させたいと思いますので…」

電話を切ったボスの表情は悲しげな、でも強い意志が表われていた。

続く

3 COMMENTS

羨ましい~💕

やっぱりサンホの提案とは、そんなところだったんだね~💦
でも、当のハヌルが我慢できるのかな?
今晩ファランで、ハヌルからプロポーズしちゃうかもしれないのに~💦
が、文春砲だけは気を付けましょうね👀
んで? んで? クライマックス?

日課💕

ボスの気持ちも気になる。
ハヌルの恋する気持ちもまぁ気になる。
ヨケイナお世話のサンホお爺さんの気持ちもわからない訳ではない。

もう少し気になるのは、
先生、休まないでね。笑
心配だし気になるし心配だし。✋💦

私は誰? ここはどこ?

日課💕 さん
 ??? あ~~~れ~~~💦💦💦 👏

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