小説は作家が自由な方法やスタイルで人間や社会を描く様式だ。ってこの説明必要なの?すいません、その前提で書いてますので…
ある日、JとRは編集会議をしていた。ブログの幅を広げたい点では双方に異論はなかった。だが、いろんな人に原稿を依頼するのは手間がかかる。特に連載ものとなると筆者の選定から連載期間や方法などをめぐって書き手と編集者との間で主張がぶつかり合うのが常だ。原稿依頼を行う度に彼等は双方合意にこじつけて世に出すのは大変な作業だと実感する。
Rの褒め手法にまんまと〈だまされた〉Sのような〈使い勝手のいい(一家に一台的な)便利な人〉を今後捜せるだろうか?あっ、Sさん冗談ですからね。
新ブログがスタートした数日後、ある人から自虐ネタの話を書いている知人がいるとの知らせがあり原稿が送られて来た。読んでみると確かに面白い話で、彼らは(これはイケるんじゃない?)と思い間接的に書き手に掲載をお願いしてみた。最初は好感触だった。また新たなブログのネタが増えると2人は喜んだ。
でも、その後書き手がつけてきた条件に2人は絶句してしまう。一字一句触るな、点や空白、カッコや行替えもいじるなと言うのだ。Rは食い下がり気味に誤字とかあったら修正しますがと伺いをたてた。相手は誤字などある訳がないと語気を荒げたので、結論は掲載拒否だった。まぁ、人それぞれだなと思うしかないが、少し不愉快になっちゃうな。
もう一つは別なケース。ある人が間接的に原稿を送ってきた。書き手は面白いぞ〜と自信満々だ。読んでみると、言わんとすることは分かるが読後感はイマイチ。下ネタ話に至っては具体的に真面目に書いてるので週刊誌のエロ小説みたいな出来栄えだった。JとRは顔を見合わせ同時に首を左右に振った。
先輩後輩も巻き込んだ仲間内のブログとしても掲載はためらわれる。だが筆者に掲載を見送るとも言えない。時間をかけ、筆者の承諾を得ながら構成や表現に修正を重ねて遂にブログに載せることができた。依頼とは頼みごとだからかくも面倒が多いのだ。制作しながら腹が立つことも一度や二度ではない。しまった、今のは独り言ですので聞かなかったことにして。
あれっ、ちょっと待ったぁ〜!RもJも殆ど同時に心の中で叫んだ。営利目的ではないため当然報酬など存在しないのに、なんで自分たちはこんなに一生懸命に取り組んでるの?お願いしたり叱られたりしちゃうのはなぜなのよ?などと思うが、それが普通の人情だ。
だけど彼らのファイティングスピリッツは実は普通ではないのだ。〈28の未来へ〉ってみんなで知恵や話題を寄せ合って育んでいくスタンスで始めたんだよねぇ!と信じて疑わないから。こんな虚虚実実がブログのB面だったりして……
続く