【投稿】北朝鮮でも止まらぬ少子化の波

最近「朝鮮社会主義婦人同盟」という北朝鮮の婦人団体が、「離婚は朝鮮労働党の方針と政策に反しており、絶対に排除しなければならない」との方針を発表し、全国的に離婚に反対する「反離婚教育キャンペーン」を行っていることをニュースで知りました。

北朝鮮でも人口減少が進んでいて、少子化の問題が深刻だそうです。北朝鮮当局はこの人口減少を食い止めるために、同棲している「事実婚」カップルに対して、罰則を導入することを検討しているようです。

今年3月には「夫婦は革命を志向するための『家庭革命』を含む『社会主義的ライフスタイル』を理想とすべきだ」という談話が金正恩・朝鮮労働党総書記から発表されました。その中で「離婚は反社会主義であり、革命を否定するものだ。夫婦を核とする家庭は国家の経済・国防政策の要であり、離婚は国家への反逆だ」と述べられました。

党の公式見解としては、「離婚は社会主義の理念に反し、社会不安を引き起こす反社会的な行為」とされています。しかし、実際には離婚が進むことで少子化が進み、人口が減少することで国力が衰えるという危機感があるようです。

北朝鮮の公式人口統計は実態とはかけ離れていると言われています。世界保健機関（WHO）によると、北朝鮮の人口は2021年7月時点で2566万人でしたが、北朝鮮の中央統計局の内部資料によれば、2005年の2100万人をピークに減少し、2015年には2060万人になっているそうです。

少子化を食い止めるために、北朝鮮では「事実婚」にも警鐘を鳴らしています。

北朝鮮の結婚法11条では、「結婚は身分登録機関に登録して法的に認められ保護を受ける。結婚登録をせずに夫婦生活はできない」と明記されています。北朝鮮の警察機関である社会安全省は、「社会主義制度に悪意を持ち、反党的、反革命的な行為を行う者を懲罰する」とし、事実婚の夫婦に対して、2月22日から3月22日までの期間内に自首するよう呼びかけました。

北朝鮮は今後、地域団体にも働きかけて、事実婚カップルの摘発を進める予定です。しかし、もし核ミサイル開発にかける予算の一部を民生向上に回すことができれば、生活も安定し、国民も安心して子供を産むことができるのではないでしょうか。

60代の主婦の視点から見ると、北朝鮮の取り組みは少子化対策として一定の意義があるかもしれません。しかし、個人の自由や幸福を尊重することも大切です。家族や社会のニーズを考慮しながら、個々の選択や幸福に寄り添った対策が求められると感じます。