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【スマホ小説】ボス 9

ソヒャンの葬儀の後、ボスは魂が抜けた様な生活になった。力を出そうにも何もやる気が起きなかった。仕事も休暇をもらった。(生活を改めないと…オギもいるのに)と考えるのだが気力が出ない。そんな時会社の先輩から連絡が入った。

「ちょっと今日会おうか?」先輩は会社近くの喫茶店を指定した。昼過ぎの店内は人影もまばらで空虚な感じだった。ボスが扉を開けると目の前のテーブルに恰幅の良い先輩が座っていた。

「どうだ?ちょっとは落ち着いたか?」と優しい眼差しで話しかけた。「いえ、まだ…」とボスが言うと先輩は意外な事を言ってきた。「ひとつ提案なんだがな…新大久保に小さなBARがあるんだがオーナーが爺さんで引退したいらしい。どうだ?お前やってみないか?気持ちを入れ替える意味も込めて。仕事…変えてみないか?」


「ふ〜ん、それでこのお店を始めたんだ…悲しいきっかけだったんだね」と路子がポツリと言った。スジンはタバコに火をつけ店内を見回した。10席しかないカウンターがいつの間にか埋まっている。仕事帰りのサラリーマン、若いカップル、路子の隣は母娘らしい女性客…それぞれが楽しい時間を過ごしている。

「その爺さんオーナーの指導を受けて約1年修行をしてこの店を引き継いだんだ」「店の名前は何故『ファラン花郎』て言うの?」「昔の韓国の新羅と言う国にあった。王を守る若い男子の親衛隊をファランと言うんだけど、お父さんの生まれ故郷が新羅のあった地だからその名前をつけたんだって」「ファランって響きが良いよね」「綺麗すぎるだろ?ハハハ…」と笑うとスジンはハイボールをグビリと飲み込んだ。

そして「ほら、あそこに掛かっている綺麗な女性のポスター…」と言うと路子は「そうなのよね〜あのポスターの女性、確か韓国の女優の…誰だっけ?」と考えてると突然隣から「あのポスターは韓国の歌手で女優の「金ハヌル(하늘) 」さんでしょ?あ、すみません横から急に…」と隣に座っている母娘の母が話しかけて来た。「はぁ…」と路子は相槌を打った。

「すみませんね〜お話が聞こえて来たので気になっちゃって…私、服部操と申します…でも、何でハヌルさんのポスターがあるんですかね?」と娘の方がスジンに聞いた。スジンはちょっと驚いたが、気を取り直して話を続けた。

           続く

1 COMMENT

空~

バーのマスターって、つらい過去をしょってる方が多いイメージ💦
ボスには、うってつけじゃん~😆
私も、金ハヌル好きっ😘 女優もゴルファーも、どっちもファンでした~😍
両方とも、ハヌルのように透き通った魅力がありますよね~💕
そんなことはどうでも良くて~
話の展開は、その後どうなるの? 路子とラブラブ~???😊
んで? んで? それからどうなるの? わくわく~

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