春のうららかさを感じよう

写真で見る在日㉒-家族の肖像

最後は在日同胞の家族アルバムの抜粋である。

家族写真(1920年代 兵庫県)
1944年 サハリン

日本の社会によそ者として来た在日一世が定着し、二世、三世、四世と代を継いで生きたその時代相を、写真はリアルに伝えている。

1943年家族写真
1940年 旧満州 図門
1938年 北海道 阿寒炭鉱

とりわけ今日では結婚式などでしか見られないチマ・チョゴリの日常生活がみられる時代、一歩外に出れば慣れない日本語を使いながら家庭では母語がいきかう生活を想像することができる。

1940年頃 秋田県
1930年頃 静岡県
1932年 福岡県

和服や国民服が混在する写真は郷に入れば郷に従えなのか、あるいは協和会などの同化政策の反映なのか。

1946年 大阪西成区
1956年 三重県
1950年代 秋田県

そして解放直後、再び民族服を取り戻した女性のなんと美しく誇らかなことか。これも時代を切り取る一断面である。

1948年頃 東京都 町屋
1967年 栃木県
1950年代 岩手県

それにしてもどの家庭も貧しいが子だくさんのたくましさ、一粒の実が地域に根を張っていく「落果生根」の過程を写真でみることが出来る。

1950年 大阪市
1960年代 福岡県
1960年代 東京都
1953年 青森県

在日社会が100年を迎えようとしている時、こうした地城に根をはる家族の肖像が蓄積、集大成されたとき、在日史は、史書とは別にこういう人がいたのだ、この人が祖父母、曾祖父で、こういう暮らしをしていたのだ、という別の具体性と地城性をともなう厚みをもってくると思う。

(完)

5 COMMENTS

はるもに

私の家にも同じような家族写真が何枚かあります😘
上の写真をじっくり見ていると、あの知り合いかな? あの親戚かな?とか、ついつい探しちゃいますね👀
でも、時代を感じますね。
「落果生根」って言葉、初めて知りました。実が落ちて、また再生するって意味なんですね👍
へぇ~👀

ぴーなっつぺーすと🥜

昨今、時代が退行して行くような国際情勢に恐ろしさを感じます😣
何故⁉️人類は同じ過ちを繰り返すのーーーー😡⚡
あらためて、この企画を通して…
先人達が目の前に突きつけられた困難をどう突破してきたのか?どう生きてきたのか?
在日コリアンの辿ってきた道のりが今を生きる私達の「根」になっていることを考えさせられました。
감사합니다😊

余談ですが、「落花生根」のフレーズが頭に焼きついちゃって、買い物で立ち寄ったスーパーで「落花生だけで造ったぴーなっつぺーすと」というネーミングのピーナッツ🥜バターに目👀がとまり即買いしました😂
私もこれからの時代、平和で自由で平等な社会の実現に向けてたくましく生きていくために先ずは食べて元気でいようってね🥰~

ディアスポラ二世

投稿者さんへ

毎回楽しみにしていました。一連の写真は貴重な資料であり、このブログはアーカイブでもあります。感謝しつつ、無粋ながら指摘しておきますと、落「果」成根ではなく、落「地」成根ではないでしょうか。故郷を離れた地に定着して根をおろす。まさに在日朝鮮人一世が経験したことです。

ぴーなっつぺーすと🥜

落花生は、開花後の花の根本からつるが下へ伸び地中にサヤを
作ることに由来しています。
文字の見間違いをしてました😂
いろいろと勉強になりました。
重ねて감사합니다。

ディアスポラ二世

落花生の比喩はよくわかります。人(の集団)の移住を植物の種が飛散するイメージでとらえるのは洋の東西を問わないようです。「落地成根」も「ディアスポラ」もモチーフは植物の種です。アフリカ起源の人類は移動をくりかえしながら今日にいたりました。主な原因は戦禍と飢饉であったし、2022年のいまなお同じことがくりかえされています。

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