【投稿】あなたへの手紙

5月。あなたが旅立ってからもう9年になりました。

日ごろから「 俺が見とってあげるから」と言っていたあなたが、定期検診でガンが見つかり、治療のかいもなく1年後の55歳の若さで旅立っていくなんて…。

結婚して子供が生まれ何年か経った頃でしょうか、 独身時代の親友が訪ねてきて一緒に食事をした時、あなたは「趣味は何？」って聞かれて、「 うちの女房を幸せにすること」と笑顔で答え、私は恥ずかしくて赤面したことを、今でもはっきりと覚えています。

決して経済的には裕福ではなかったけれども、ソファーに座ってお茶を飲んでいると「一緒に散歩に行こうか」「 今日は外で食事をしようよ」「 一緒に買い物に行こう」「映画でも見に行こうか」と声をかけていたことを思い出し、声に出すこともあります。また同年配の夫婦が観光地や近所の公園で手をつないで散歩したりしているのを見ると、つい私も手を伸ばしそうになります。

あなたと一緒にいた時、何と幸せだったことか、 本当に大事にしてもらいました。今もあなたに感謝しています。「 あなたは私と暮らして幸せでしたか？」

私は「どちらかが一人になっても残された人は楽しく充実した日々を送ろう」という約束を守って、残された時間を健康に注意して悔いなく生き切って、あの世に行った時に「 一人でよく頑張ったね」と褒めてもらえるようになりたいと思っています。