10月は秋の気配

おかしな娘のオモロイ話(26)ー言葉づかい

ちゃん丸の通う保育園では、4ヶ月に一度、担任の先生と保護者の個人面談がある。面談では、ちゃん丸の園での生活を先生が詳しく説明してくれて、良いところや友達とのエピソードなどを教えてくれる。私たちが知らないちゃん丸の一面を知れるので、とても楽しみで毎度期待を寄せている。

そんなある日の面談。
担任:ちゃん丸くんは、とても活発で元気な子です。
毎度の流れで、ちゃん丸の園生活の話を聞かせてもらう。最近はお昼寝の時間に自分でタオルケットを「ヨイショ」と掛けられるようになったそうだ。
先生にかけてもらっていたタオルケットを自分でかけて、そっと目を閉じて「ぼくがいちばん、ぼくがいちばん」そうつぶやきながら眠りにつくのだとか。なんだ?そのほんわか癒される話は! 家ではそんなかわいい寝方しないぞー!

しかし、ちゃん丸のお昼寝を想像しながらニヤける私をよそに担任の先生が少し声のトーンを落とす。
担任:…このように活発な反面、ちゃん丸くん、言葉づかいが少し悪いです。
私はドキッとした。
担任:昨日は「おめーのきたねーケツ、さわりたくねぇ!」と言っていました。
その前には、「ぶっころしてやるよ!このババくそ!」と言ってました。
聞きながら、私は泡を吹きそうになる。
私:そ、そんなことを、、、

否定したい気持ちは山々だが、心当たりがめちゃくちゃある。ちゃん丸は最近、ドラゴンボールにはまっていて、「おめーのきたねーケツ、さわりたくねーよ」も「ぶっころしてやるよ」も全て悟空が話す言葉だ。
「ババくそ」は一体どこの誰が言った言葉だ?全く!
当然ながら、ちゃん丸の友達にそんな汚いことばを使う子はいない。

家に帰って、ちゃん丸に言い聞かせる。
私:ちゃん丸、悟空のことば、マネしちゃだめなんだよ。
ちゃん丸:???ボク、悟空になりたいもん。
そうだよなぁ~。ちゃん丸には、何がだめなんだかさっぱり通じてない。困ったなぁ~私は園での面談を夫に相談した。夫は笑っていた。
私:笑いごとじゃないよ~。そんな指摘受けるの、今どきちゃん丸くらいなんだからね。

しばらく日にちが経ったある日。
ちゃん丸:この、ババくそー!!
私に向かって怒ったちゃん丸が叫ぶ。
私:誰にむかってそんな口聞いてるの!!
私も怒る。と、そこへ夫。
夫:おいおいちゃん丸、ババくそちゃうやろ。何て言うんやったっけ?
夫の一声で、ちゃん丸はハッと気づく。
ちゃん丸:この、ババたん!!!
そう、あの日からちゃん丸は言葉の最後に「たん」を付けるようになった。
「ババたん」、「ガキたん」、「おめーたん」。
夫:あんまり悪いことばに聞こえなくなったやろ。
夫が笑っている。
確かに、「ババたん」と呼ばれるようになって、面白くて気が抜けてしまって、そんなに怒れなくなってしまった。でもさあ、夫さん、多分そうゆう問題じゃないと思うのだけれど…