アルバムはパスワードを設定しました

おかしな娘のオモロイ話(32)ー出産1

2020年夏、私は第三子となる男の子を出産した。名前はじゅん丸。ちゃん丸とカレンを産んだ産院なので、入院中の生活様式や雰囲気、スタッフまでしっかり覚えている。

今年はなんといってもコロナ。新生児の世話は一切スタッフがしてくれるので、私は病室で時間をもて余していた。こうなることを予想し、私は様々な美容グッズを持参して入院に臨んだ。マッサージクリーム、泡洗顔、スクラブ入りの角質落とし、フェイスパックetc.

初日は顔の角質落としをすることにした。茶色のクリームの中につぶつぶのスクラブが入っている。20 分ほどマッサージをして、裏のパッケージに書いてある使用方法を確認。

ふむふむ。「マッサージ後は、10 分ほどこのままにしておく」か。なるほど。泥を塗りたくったような茶色の顔面。笑ったり話したりしたらシワになりそうなので無表情を貫く。

2分ほどたった頃。“ピンポーン”と病室のインターホンが鳴った。
「李さーん、ちょっと産後の体調チェックしてもいいですかー?」
なんと、助産師が体調チェックにきた。

今?!!どうしよう。まだあと 8 分くらいはこのままにしとかないと角質がきっと取れない。洗い落とす?でも、なんだかもったいないなぁ、、、悩んだ末に、そのまま出迎える事にした。

「どうぞ」と扉を開けた顔面茶色の私に、助産師さんはビックリ!!! だが、一瞬で状況を理解して、爆笑し始めた。

助産師:……ちょ、ちょっと待って李さん、、!お腹痛い www
私:すみません。塗ったばかりなので、このまま失礼します。

そのまま産後の経過チェックがスタート。私は顔面茶色で無表情。助産師さんは肩を震わせて笑うのを堪えている。めちゃくちゃシュール。

助産師:はい!いいですよ~!リラックスしてるお時間にごめんなさいね。
「こちらこそ」と言いたいが、しゃべったらそのままシワになりそうなので、無言でうなずく。きっと助産師さんは感じの悪い経産婦だと思っただろうな〜。