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末は大物?⑦

祭り好きのマー坊は踊ることもお大好き。特に阿波踊りには目がない。祭りになると見よう見まねで阿波踊りを踊る、踊る。“踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損そん…” このフレーズがピッタリのマー坊である。

小学生の頃、マー坊は阿波踊りが好きすぎて、自分で交渉し地元の阿波踊りグループに入れてもらった。そのグループは夏になると地元だけでなく市をまたいで祭りに参加したり、東京・高円寺の阿波踊りにまで参加する活発な団体であった。もちろん大人のグループである。彼ら軍団はとても忙しくて、マー坊は夏休みになると大人に混じって芸能人並みのスケジュールをこなしていた。

小学5年生の時、そのグループは本場徳島の阿波踊りに参加することになった。大阪で1泊、徳島で2泊のバス旅である。マー坊は行くつもりでいたが、4人の子を持つ私には絶対に無理な話。もちろんうちはパスである。それでも行きたがるマー坊は1人で行くと言い出した。

「マー坊を連れていってあげよう」グループ内のおばさんたちが連長に働きかけてくれた。マー坊は熟年女性にモテるらしい。「小学生が親の付き添いもなしに四国まで行くなんて…何かあったらどうする?責任は取れるのか?」「私たちが面倒を見るからさ」

責任感の強い連長はそれでもちゅうちょしたが、おばさんたちの強い押しに勝てずマー坊の同行を許した。徳島へ行けるとなってマー坊は大喜び。いや、本場で阿波踊りを踊れることに喜んでいた。

旅行当日、
「行ってきまーす!」元気のいい挨拶とともにマー坊は出発した。“道中、何があっても一切申し立てはいたしません”という誓約書を親が書かされたことなど全く知らないまま。