いきなり真面目な哲夫が声を上げた。「Y男、기준!」「へっ?」とY男はキョトンとする。「Y男、기준!」もう一度哲夫が声を上げる。「기준!」Y男が右手を上げた。「량팔간격으로 벌려!」
「…」
今度は皆がキョトンとする。
哲夫はお構いなしに「벌려!」と、もう一度声を上げる。「야〜!」と力無く広がると哲夫は「다시한번!」と元に戻した。そして「똑바로 하자」と声をかけて「벌려!」ともう一度声を上げた。(かなり面倒くさい奴らしい)
皆は仕方なく「야!」と声を上げて広がった。すると彼はどこから持って来たのかラジカセをセットしてスイッチを入れた。
みんな(まさか…)と思ったが、そのまさかだった。
『인민보건체조〜가슴운동부터~시~작!하나!둘!셋!넷!…」と聞き慣れたピアノの音楽とおじさんの声が流れて来た。哲夫は当然と言う顔で体操を進める。
「ねぇねぇS子、哲夫ってこんな子だったっけ?」とC子が哲夫と同じ中学出身のS子に聞いた。「ん〜そうね〜、真面目で一本気なんだけどね、周りの空気が読めないのよね~昔から…」と諦め顔で言った。「そうなんだ…」と周りを見渡すと皆、真面目に体操をしている。
腰の運動で上体を反る運動の時に出る「배가 나오지 않도록」の掛け声は何故か笑いを誘う。深呼吸が終わって「쉬여〜ㅅ!」で体操が終わった。
よく見ると女子は皆水着ではなくパーカーとかティーシャツに短パン姿だ。やはり年頃の女の子、水着は恥ずかしいのか…男子は定番のバミューダ水着か、近頃流行りのHangTenのサーファーパンツだ。さすがに腹が出てる奴はいないが、ちょっとヤバイ奴もいる。
「ヨッシャー!」と声を上げて男達は一斉に海に入って行った。女子は男子がいなくなるのを見て「コパトーン」や「資生堂サンオイル」をお互いに塗りっこする。
辺りには一斉に夏の華やかな香りが溢れた。そしていそいそと何かの準備を始めた。
暫くして海から上がって来た男達は目を見張った。女子達が何か作っている。「な、何してんの?」とM道がNMに聞くと「見たらわかるでしょ?お昼作ってるの!」と野菜を切りながら得意げに話した。そして「ボーッとしてないで手伝ってよ!M道はそこらから石拾って来てカマド作って!そして他の男子は火をおこして!」と指示を出す。
男達は急かされる様に動き廻る。
かまどの火を点けるのは中々大変だ。細い枝を何本か束にしてその下に丸めた新聞紙を置く。新聞紙が燃えて枝に火が点いたらこっちのもの。新聞紙で扇ぐと一気に火は勢いを増した。やがて肉の焦げた匂いがしてカレーの香ばしい香りが立ち込める。食欲をそそる匂いだ。
「腹減った〜!」「早く食べよ〜」と腹を空かした男達は口々に叫ぶ。「まだあるのよ、ちょっと待って!」と女子達は持って来たバスケットから各自が準備したオカズを取り出した。
「へぇ〜すげぇな〜これお前達が作ったの?」と男達は感心する。
実は前日女子だけ集まって料理とおかずの段取りを決めていた。カレー組とおかず組、ご飯組に別れて其々が準備して来たのだ。「高1、高2の時はヤヨンがあったけど今年は無いから、こうしたのよ。」とMリが言った。「へぇ〜」もう一度男達は感心した。
「먹겠습니다!」
豪勢なお昼ご飯だ。
出来立てのカレーは絶品。
ご飯組はオニギリ、のり巻き、チャーハンと種類も豊富。
おかず組は玉子焼き、ウィンナーの定番にサラダ、唐揚げ、海老フライ、ナムル等々彩りも鮮やか…
(当分女子には頭が上がらないですね)
「ねぇM道、この玉子焼き美味しいでしょ?これ私が焼いたのよ。」とカレー奉行ながら玉子焼きをM道の為に焼いて来たNMが言った。
「ん〜、腹減ってるから何でも美味いや。」
「バカ!」
デリカシーの欠片も無いM道だった。
たらふく食べて満足した12班は誰が言い出したか「노래모임」が始まった。
しょっぱなはHソンが「 ? 하늘은 푸르고 ? 」と始めると皆から「パンジャン固いよ、固い」とヤジが飛ぶ。「やっぱり江ノ島に来たら加山雄三でしょー」と言いながらY男が「 ? 二人を〜夕やみが〜 ? 」と始めるとみな拍手喝采。
「幸せだな〜 ?」と誰も言ってないのにM道がしゃべり出した。NMは真っ赤な顔して下を向いている。
(バカ!何を急にしゃしゃり出てんのよ!恥ずかしいじゃない!)
やはりデリカシーの欠片もないM道だった。
NMとC子が「 ? ここかと思えばまたまたあちら浮気な人ね ? 」とピンクレディを始めると女子が歌い出し「 ? sexy〜あなたはsexy〜 ? 」と悩殺?ポーズで合唱する。
最後はGチとSスとで「 ? 壁際に寝返りうって〜 ? 」と歌い出すとス◯とC子が「キャー、ジュリ〜!」と黄色い声を上げた。照れながらも2人は「 ? 出て行ってくれ〜AhAh… ? 」と両手を上げて踊り出した。最後は一緒に「 ? AhAh… ? 」と大合唱で終わった。
「ワーッ!」と盛り上がった所でMリが立ち上がった。「みんな、班長からちょっと話があるの。よく聞いてね。」
Hソンが立ち上がった。
「12班に皆が揃って1学期も終わろうとしてます。この間色々な問題もあったけど、仲良く何とかやってこれました。ただ学生生活最後の1年だと言う事を忘れていないだろうか、と思ってます。例えば『無欠席運動』…まだ大きな達成は出来てません。」
班長は言葉を選びながら慎重に、でも、熱く訴える。「俺が思ってるのは、俺の希望は…3年12班の全員、ただの一人も脱落者無く全員で卒業したい。それだけです。」
皆、シーンと聞いている。
どうやらHソンとMリの目的は達成した様だ。
さて…怒涛の夏休みに入ります。
まだまだ続きます。
ここは確か、江ノ島でしょう?👀 カレー作って大丈夫なの?💦
浜辺で人民保健体操👀 昔はみんなでやった記憶がある~私も😊
で、これから夏休みなんだね~💓
楽しみだぁ~ またどんな愉快な話に展開するのかな?
男子の火起こしの話を読んで、昔、朝銀の若者が花見の時に七輪に火起こしをするのに中々火起こしが出来ないから、見に行ったら、何と七輪の下に炭、小枝、新聞紙の順番で火起こしをしてやがって、発狂したのを思い出しました。
因みにおらの家は10歳頃まで風呂は薪風呂でしたので、火起こし出来ないと風呂にも入れませんでした。
今考えたら、その当時から、インドアでもアウトドアをしてたのかな?
キャンプ⛺に行っても焚火がブームで私は滅多にしませんが、若い家族が太い薪にそのまま火をつけようとしてたので私が持参していた鉈で細く割って火起こし、したら直ぐに着火して若夫婦は感動していました。
出たーーー🙌
人民保健体操ー‼️
江ノ島で体操って‼️
江ノ島でシーンって‼️
やめてーーーーー‼️