「바다모임」も無事終わり1学期が終わった。いよいよ学生生活最後の夏休みが始まる。
しかし、その前に芸術クラブに続き体育クラブにもショッキングな情報が入って来た。「中央体育大会は中止。ただ体育選手権大会として開催する」と言う事。つまり芸術クラブの様に完全に無くなるのではなく、種目別だが大会は行われると言う事だった。体育クラブの学生は寂しくもあるが、どんな形にせよ試合が出来るという事で胸を撫で下ろした。
Eスもその一人だった。
彼女はロング部に属してるが、本当にロングが大好きだった。中学生から始めたロングは高校に進学してもやめる気はなかった。それほどロングが好きだったのだ。
中学時代、背の低かった彼女はガードをやってたが、高校に上がると背が伸び始め、元来のセンスの良さから監督のマジンガーに、オールラウンドに活躍出来るフォワードをする様に言われた。中学時代はガードとしてチームの司令塔だったポジションから、攻撃的なフォワードに変わるのは抵抗もあり難しかったが、点を取る喜びと、特にロングシュートを決めた時の快感が、彼女がフォワードをすると決めた最大の理由だった。
ロング部には目標があった。
男女同時優勝!
6月の大会では、次の日から修学旅行と言う事もあってプレーにも落ち着きがなく、女子は優勝出来たが男子は逃していた。(※事実とは異なりますが、こう言う設定にしました)
「今度こそ男女揃ってアベック優勝を勝ち取る!」この目標に向かって練習を始めた。
普通考えるとフィールドの広いサッカーやラグビーが走る距離が長い様に感じるが、実際はロングの方が長い距離を走る。だから試合時間も、前半20分後半20分の計40分と言う短い時間で試合が行われる。それ程ハードなのだ。その体力を担保出来るのは練習しかなかった。
Eスは誰よりも練習をした。
朝9時からが全体練習だが、まだ誰も出て来ない早い時間から学校に来て走り込みを始めた。「帝京大回り」(3.2km)を走った後、コートの端から端まで走るダッシュを10本3セット。その後ボールを持ってのレイアップ20本、そしてロングシュート100本。まさにロングに取り憑かれた様に練習を重ねた。
夏休み中、各クラブの合宿が盛んだが、ロング部でも学校で合宿が行われた。
勿論中央体育大会に向けてだが、今年は8月中に行われる体育選手権大会に向けてだ。
朝8時から練習が始まり午前中はガッツリバスケ漬け。走り込み、ドリブル、パス、シュート…地道な基礎練習。
でも、これが東京の強さの秘密。徹底した基礎練習が東京の強さを支えていた。11時〜2時迄は暑さ対策で休憩を取る。でも水はダメだった。精神論が優先されたこの時期はこれが当たり前だったが、ロング部は徹底していた。マジンガーがお腹に耳を当てて(勿論男子だけですが)水の音がするか確認する位だったから…
そしてその後も夕方までみっちり練習を行った。さすがのEスも喉の渇きには我慢が出来ず、シュート練習の待ち時間にトイレに行くふりをして給水機の水を飲む。冷たい水が喉を通る時、至福の喜びを感じた…
そしてまた練習へ…
もちろん練習が終わると水分補給。
牛乳1リットルをガッツリ飲む。
何故牛乳なのかは解らない。
体に良い事は確かだが…
7月の終わりにマジンガーが部員全員を集めた。「ようやく夏期大会の場所と日程が決まった。場所は愛知朝高、日程は8/16〜17日だ!今度は必ず男女同時優勝を決めよう!」
目標ははっきりしている。残るは練習あるのみだ!
Eスはわき目も触れず練習に没頭した。
練習前のトレーニングに練習後も「当日までロングシュートを1日100本!」と言うハードなメニューも取り入れた。
…
自分をとことん追い詰めて限界まで行ってみたかった。滝のように流れる汗が目に沁みる。それでもEスは止めようとしない。そんな姿を見た後輩が声をかけた。
「オンニ、何でそんなに練習するんですか?」 Eスはシュート練習を止めてニコリと笑いながら答えた。「そうね、ちょっと異常よね…でもね、今この時間は私にとって、今までなかった一番大切な時間なの。だから高校最後の、学生最後のこの夏は、絶対後悔したくないのよ。だって一生のうちでおそらく、一番熱い夏だから…」
そんなEスの姿にロング部の部員は負けじと一層練習に汗を流した。
そうして、一生のうちで一番熱い夏は、いよいよ本番の日を迎える…
高3の教室での寝泊まり。ベランダに出した机をくっつけてその上に布団を敷き、星を見ながらみんなで歌歌ったね。懐かしくて最高に楽しい思い出です。😢
ああ~ 覚えてる! 中央大会が急に中止になったんだよね💦
私も運動部に所属してたから、ものすごくがっかりしたもん😢
28期は、中学3年の中央大会も中止になったんだよね~💦ほんと悔しいよ~
で、バスケのマジンガーって、例のえもんかけ先生ですよね~👀
怖い先生だったけど、60歳の還暦同窓会には来てなかったよね~ 65歳の東天紅には来てくれるのかな?
私も何度か学校で泊まった。
一番印象に残っているのは、運動場で見た朝焼け。空の半分は星空で、半分は鮮やかな朝焼け。いまだに、多感な時期に見たそれを、超える光景に出会ってない。