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3年12班の愉快な面々 44

KMは、恐る恐るドアを開けた。「KM〜!」と言ってNMが飛びついて来た。「えっ?何で?」とKMは突如の訪問客に驚いた。「先生が教えてくれたのよ。そして、ほら…」とMリは持って来た袋を開いた。炊飯器、トースター、ドライヤー、衣料品と食料品等が入っていた。

クラスを代表して来た4人はお菓子を広げながら話した。「ひとこと言ってくれれば良かったのに…」とNMが言うとMリが「事情があるんでしょう?」と聞いた。KMは今までの経緯を掻い摘んで話した。
「…」
一同びっくりして声が出なかった。

C子は「でも凄い行動力、驚いた」と言った。「で、これからどうするの?」とEスが聞いた。「先生には話したんだけど、私ね…幼稚園の先生やりたいの」とKMは目を輝かせて言った。「でも突然だから無理かもしれないけど…」と続けた。

「KMは子供が好きだもんね。大丈夫、先生が何とかしてくれるよ」とEスがKMの肩を叩いて元気付けた。「そうだね、くよくよしても始まんないしね」とKMの顔にも笑みがこぼれた。そして遅くまで女子の笑い声が響いていた。

次の日、KMは副担任の文先生に呼ばれた。教員室に入ると見ず知らずのオジさん2人が座っていた。「挨拶しなさい。こちらは埼玉の校長先生、そしてこちらは埼玉本部の副委員長よ」「えっ!…안녕하십니까 」と驚いて反射的に頭を下げて挨拶をした。

「この子がKMです。見た通り真面目で頑張り屋です。私からも、よろしくお願いします」と文先生も頭を下げた。「話は文先生から聞きました。埼玉幼稚園の空きは二つあるけど、ひとつはトンムのために取ってあります、下宿先は…明日から私の家に泊まりなさい」と副委員長は言った。こうして話はトントン拍子に進んで埼玉幼稚園への就職と副委員長の家での下宿が決まった。

話を聞いた12班のメンバーは手を叩いて喜んだ。次の日、十条のアパートに埼玉の조청오빠が車で迎えに来てくれた。そして埼玉での下宿生活が始まった。KMは夢への第一歩を踏み出したのだった。

一方の朝大組は3/6〜7の入学試験に向けて勉強に励んでいた。一週間の合宿の後、いよいよ試験当日を迎えた。東京はこの年約100人の大人数が朝大入試を行った。実に卒業生の五分の一が朝大に行った事になる。12班からはHソン、Gチ、Mリを始め10人が朝大に進学した。

そのほか、日本の大学、専門学校に行く者、朝銀、商工会、奨学会等の事業体、東海商事等の企業体に就職する者、家業に入る者、日本の会社に入社する者、同胞企業に就職する者…同級生たちは多様な進路に進んで行く。

数々の思い出を、様々な思いを込めていよいよ明日、1978年3月15日。東京朝高28期卒業式を迎える…

3 COMMENTS

心から感謝を込めて💐

あらためて…
5年前の思い出が甦ってきました。
この物語を作成するために 何度もラインのやり取りをしながら完成させたこと。
まさに 管理人さん、イラストさん、作家さんの3人の力の集大成だと思っています。
今、手元にある素晴らしい原画を見ながら 感謝の気持ちに浸っています。
「28期で本当に良かった♡」笑
65歳の同窓会を人生の一区切りとして
心が疲れたときに この物語を思い出しながら元気に過ごしていきたいと思っています。
ありがとうございました(*^^*)✌️

誰にあげたかな?💦

いよいよ卒業ですね~👀
卒業式の前日は、ワクワクして眠れなかった記憶がよみがえる~
卒業式の時は、学ランのボタンを全部取られちゃったの、今でも自慢です💓
大切にしてくれてるかな?第二ボタン💓

👏👏👏

勇気と決断に大拍手を贈ります。先生、友達、埼玉の方々、唯一の弟君、回りの人達に支えられましたね。私まで嬉しい気持ちになります。

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