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3年12班の愉快な面々 8

6月の『修学旅行』が近づいて来た。学生時代の思い出の1ページに間違いなく残るであろう、大切なイベントである。場所は京都、三重の鳥羽、合歓の郷。

6月6日の夜に学校に集合し、観光バスに乗って移動、解散は6月10日。夜行発3泊4日の行程だ。学生服で行けない残念さは男子の中で大きかったがこの日程で決まった。それには理由があるのだが…ただ、ここで思ってもみない問題が起こった。

他の班は、各班毎に1台のバスに乗り込むが、12班は男女共学なのでどうするか?男女を分けて各バスに分散するか、人数が少ないのでマイクロバス1台に男女同乗するか?担任の金先生と副担任のムン先生は話し合っていた。

バス移動と言ってもある意味、密室に若い男女が集団で一晩を過ごす事になる。

「ムン先生、どうしようか?いくら何でも同乗はちょっとなぁ」「…学生達に聞いてみましょう。案外杞憂に終わるかも知れませんよ。」ニコリと笑いながらムン先生は言った。いざという時は、女性の方が肝が座っているようだ。

「…と言う訳で、バスの移動をどうするか、皆の意見を言ってください。」とHソンが提案した。「夜行バスに男子と一緒に乗るの?」「え〜やだなぁ、寝起きの顔モロに見られるじゃん…」と、女子の反応は反対に傾きそうだった。男子は特に何も言わないが(別にどっちでも良いよ)と言うのが大半の意見。

男女分散に意見がまとまるかに思えた瞬間、普段は大人しいS子が「でも、折角の修学旅行なのに班が別れるのはやだなぁ」と言うと、活発なNMが「私も同じバスで行った方がいいと思うよ。」と賛同した。「ただし…男子はバスの前に座る、特に早朝は絶対後ろを見ない。イビキをかかない。歯ぎしり、寝言も言わない、どうかしらこんな条件で?」「意義な〜し!」女子が言った。

「ちょっと待て!何で俺たちだけ条件付きだ?じゃあ俺たちも条件を…」と、M道。「何の条件があるのよ!可愛い娘さん達と同じバスで旅行出来ると思えばそれくらいどうって事ないでしょ?」「そうよそうよ」「ヤラシイ事もダメだからね!」と口々に喋った。

男子を代表してM道が「やかましく喋らない、お菓子をポリポリ食べない。イビキをかかない…」
「はぁ?何それ、そんな条件のめる訳ないでしょ…」
「まぁまぁ、お互い条件を出し合ったんだから、許容できる範囲でお互いを尊重すると言う事で良いかな?」とHソンがまとめた。

まだ何か言い足らない様だったNMだが、ここは大人しく引き下がった。
頼もしく思いながら見守っていた先生達は立ち上がり「よし、わかった。それでは我が12班は単独でバスに乗る。これで良いな?」

皆が頷いた。

万事がこんな感じだった。やはりウーマンパワーは侮れない。修学旅行時のクラス公演の出し物も女子が仕切り「革命歌劇 アリラン峠」に決定。

男子の日頃のクラスの生活を描いた寸劇と言う意見もあったが「そんなのどこの班もやるわよ!もっとオリジナリティを出さないとダメ!」と一蹴された。
女子の予想通り大体のクラスが男子の言う日頃の生活を題材にしてたが、その中でオリジナリティ溢れる12班の演目が最優秀賞を貰った。
場面転換時「 🎶 달려라 달려라 씽씽달려라 🎶 」と言う歌も効果的だった。

修学旅行を通してクラスの雰囲気は格段に良くなった。男女間のよそよそしさも無くなり、あっけらかんとした関係が作られた。
そして、新しいロマンスも生まれた。

それは京都での夜…

2 COMMENTS

ロマンスを詳しくね👍

へぇ~ ロマンスが生まれちゃったんですか? そこんとこ詳しく聞きたいな~👂💓
でも、その条件の、歯ぎしり・寝言・イビキ? これって無意識じゃん💦少し無理がある条件だよね💦
それで? それで? だんだん愉快になって来たね👀

合歓の郷でBBQ👍

鳥羽の真珠、欲しかったな~🤣
合歓の郷、楽しかったな~😭

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