正直この十数年ずっと逃げてきました。 それは胃カメラ。正式には上部消化管内視鏡検査と言うらしい。「あんなのへっちゃらだ」という方もいるでしょう。
でも今日まで私は、その検査に背を向けて生きてきました。それは昔に小耳に挟んだ悲惨な話に衝撃を受けバリウムでお茶を濁してきたのです。
しかし今年、人間ドックを申し込む時、ふと去年受けた大腸の内視鏡検査が拍子抜けするくらい楽ちんだったという理由と、自分の胃の内部をカラー映像で見たいという欲望を抑えきれなかった(笑)
そして人間ドックの当日。内視鏡の検査室だ。大腸の内視鏡検査を受けた時と同じ場所だったから、少し緊張はほぐれたけれど、いざとなるとさすがに怖気ずく。カーテンで仕切られた簡易個室でしばらく待機していると、看護師さんがスプーンを持ってきた。
「喉の麻酔薬です。口に含んで5分間、そのままにしてください。水飴みたいですけど水飴じゃないですよ」陽気な看護婦さんだ。5分後カーテンが開き「 口の中、変な感じですよね。それでいいんです~。じゃあ行きましょうか」
内視鏡検査室も大腸を検査した部屋と同じだったが、先生と女性の看護師さんが違う。名前と生年月日を確認した後「鎮痛剤はなしでよろしいですね?」と聞かれ、思わず「はい!」と言ってしまった。
そろりとベッドに横たわり、若い先生から簡潔に説明を受けた。今になってはまるで覚えてないが、一言だけは記憶している。「暴れないでくださいね!」
ええっ?うろたえたのも束の間、 気がついたら硬い管がズルズル口の中に侵入してきた。うぐぐ……げぼ……がああ……ああう…… 声にはならず、涙が止まらない、鼻水も垂れる、苦しい、帰りたいよー。
しかし私は一人ではなかったのだ。背中をさすりながら、耳元で間断なく注がれる慈愛に満ちた囁き。
「手と足に力が入ってますよ~。緊張すると余計辛くなりますから、ため息をつくみたいにハァーと息を吐いてみましょう~」
「唾は飲み込まず、そのまま下に落とせば大丈夫ですからね~」
「これから奥の方に入るので、違和感が大きくなりますよ~」
こんなところにも天使がいたのだ。 間断なく降り注ぐ優しい雨のような言葉に、私はすがりつき、涙と鼻水にまみれ、やがて管は体外に出て行った。
ボロ雑巾になった私は、天使の手を握らんばかりに頭を下げていった。
「ありがとうございました。 声をかけてくださらなかったら、私は頑張れませんでした」
もう一人の看護師さんの 毅然とした言葉に見送られた。
「無理だと思うか、頑張れると思うか、その違いなんですよ」
「無理」と「頑張れる」の波間に溺れた15分の時間。まだ半月経っても、管の違和感が喉に張り付いて消えないが…。
そして~ その看護師さんに恋しちゃった?💓女医さんに?
胃カメラは飲んだこと無いけど、苦しいらしいね💦
大腸検査も苦しいらしいね💦
どっちもやったこと無い👀 よって、看護師さんには恋してない💦
胃カメラの検査の時の看護師さんの声かけや背中をさする行為…。
ありがたいよね~。わかる気がします。
それで、胃の内部のカラー映像は見れましたか? 私はその楽しみを放棄して、はじめっから鎮痛剤を使ってます。気持ち良く眠ってる間に終わってます。ですが、量が多過ぎたのか暫くベッドで休んだ後でもフラフラです。4、5回受けてやっと鎮痛剤の適量が定まりました。
まだ未経験。悪くなるまではしないつもりです。怖いもんね~😆