秋を迎える前に정선との秘事は終わりを迎えた。ジンスに対する彼女の願望の度合が、一線を超えた事が決定打となった。盆休みの終わり頃、彼女は主の前で愛を誓ってとジンスを教会に誘った。そればかりか、一緒に住みたいと言いだした。それは無理な相談だ。
困り果てたジンスは、선미に電話して事の次第を説明し、軽率だった己の行動を懺悔した。선미は遠慮なく彼を叱責したが「アンタが유부남と知ってるのに、やり過ぎね。アンタもアンタよ。アタシが執り成すからアンタは何もしないで。
電話もとっちゃ駄目だからね。今度おごんなよ」と後始末を買って出てくれた。やれやれ。また一つ姉さんに借りが出来てしまったのが申し訳ない。ジンスは男女の色恋にリスクマネジメントは通用しないと悟ったのだろうか?
彼は土曜日の昼に浅草で선미と会った。迷惑料の意味で高額の商品券を進呈すると、彼女はこれでアンタの気が済むならと受け取った。場所が場外馬券場の近くだったので、彼は帰りに運試しとして1万円を馬券に投資する。誕生日の10月2日にちなんで2ー10をワイドで購入してみた。結果は的中で96万円の臨時収入を得た。幸運に乱舞しながら家に戻った。
妻には競馬で当たったと言いながら10万円を手渡した。さぁ残りは何に使おうかと頭の中で買物リストを作成してる時、只一人の妹から電話がかかってきた。切羽詰まった声で「오빠,旦那の仕事が不景気で生活費が足りないの。50万円位何とかならない?分割して必ず返すから」と頼んできた。普通なら妻に相談するが、泡銭を手にしたばかりのジンスは妹の頼みを快く聞き入れた。
でもそれで終わりではなかった。今度は어머니から連絡が来て「귀국したお前の외삼촌に20万円送金したいから用立てて」と懇願してきた。ジンスは아버지は何をしてるんだと腹が立ったがそれも受け入れた。どっちも返済の見込みがないのは重々承知だ。泡銭も身内の為に消費されて本望だろう。それでも手元には10万円以上が残っている。賢明にもジンスはまた馬券を買おうとはせず、来たる同窓会の諸費用としてキープして置くことにした。
週が変わり彼は事務所で契約書の作成をしていた。急ぎではないので、テレビをつけっぱなしにしていた。バラエティー番組が映っていて厄年について特集していた。ジンスも厄年の事は知っている。
男は数え歳で42歳が二回目の厄年。ジンスは誕生日前で満41歳だから正にその真っ只中にいるが、特に意識したこともない。厄は本人に降りかかったり、身内や身近な人のトラブルに巻き込まれる事もあるそうだ。
コメンテーター達は口を揃えて厄祓いをオススメしていた。ジンスは장호と태영に電話して厄祓いしたのかと聞いてみた。二人とも気休めになるから41になった時にお祓いしたと言っていた…
続く
「帰国した叔父さんへの送金」はかなりリアルですね。私も経験した。ウリナラの親戚元気にしてるかなぁ。