「最近、顔が先に浮かんで名前が出てこない」「漢字の輪郭は浮かぶのに漢字が出てこない」。この年になると誰もが思い当たる現象です。いわゆる“アレアレ症候群”。「うちのダンナ、あれがあれなのよ」「あの人、あれであれしたんだって」。
こんな会話じゃ、相手の想像次第でどうにでも解釈できちゃう。もう完全に「アレアレ詐欺」。年を取るにつれて物忘れが激しくなると「認知症」という言葉が頭に浮かぶけど、“正常な物忘れ”とそうでない“物忘れ”があるってご存じ?
正常な物忘れは、言葉や名前は出てこなかったけど、“物忘れをしたシチュエーションやエピソードを覚えている”というもの。物忘れで失敗した経験を細かく覚えている人はいたって正常だとか。認知症的物忘れは、物忘れをしたこと自体覚えてないんですって。正常でも“アレアレ症候群”のままじゃ不安ですよね。不安要素は取り除くに限る!
“記憶”って脳の中で ①覚える作業、 ②保存する作業、 ③思い出す作業があって、そのどれかの機能が衰えると“アレアレ症候群”になるそうなんです。「年のせいなら改善の余地なし?」と思われるでしょうが、大丈夫。物忘れをしてしまったら“あれ”で済ませず、とことんヒントを探るんです。
芸能人や知人の名前が出てこない時でも顔やイメージは頭に浮かんでるでしょ? その人にまつわるヒントを探っていくと、パッと浮かんでくる瞬間がある。スマホなんかで検索しないで自分の頭で考えて。
カギや物を忘れた時も同じ。自分の行動を刑事のようにとことん捜査する。すると、ある瞬間に脳がパッとひらめくんですって。要は集中することなんですね。そう、パズルを解くように。
あと、何にでも興味を持つことと繰り返し覚えることも重要なんだとか。手書きも脳に良いと聞きます。正常な物忘れの人は遠い記憶から忘れっぽくなるけど、そうじゃない人は“最近”から忘れるんですね。だた、脳は“興味のないことや認識しないものは覚えない。都合の悪いことは忘れる”という性質を持っているので、そこんところは忘れずに。