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【スマホ小説】ボス 20

ハヌルが失踪して2日が経った。さすがに事務所でも異変に気付き始めた。「そう言えばハヌルさん…この頃見ないわね」「うん、俺も思ってたんだ。あれだけベッタリ付いてたチさんも社長室に入り浸りだし…」「何かあったのかな?」そんな声がチの耳に入って来る。

(全く何処にいるの?ヒャン)心の葛藤が続いた。その時、「ピリリリリ…」携帯の呼び出しがあった。(ハヌルだ!)「ヒャン!あなた何してるの?何処にいるの?身体は大丈夫なの?何で…何で…」と一気に捲し立てたチは、抑えてた感情が溢れ出そうになった。「ゴメン…」電話の向こうからハヌルがすまなそうに言った。

暫し沈黙が流れた。「とりあえず元気そうで良かったわ。それで何処にいるの?」と落ち着きを取り戻したチは静かに聞いた。「まだ言えない。けど心配しないで。もうちょっとしたら元気を取り戻せそう」「ヒャン、あなたまさか変な気は起こさないでしょうね」「変な気?ハハハ大丈夫よ。それじゃね。また連絡する」と言うと電話は切れた。チは連絡が取れたと胸を撫で下ろし、すぐに社長に連絡した…

ミスはデスクに呼ばれてミーティングルームにいた。ミーティングルームと言っても、長机の両サイドにパイプ椅子を並べただけの小さな部屋だった。「それで取材してみてどうだ?」とデスクが質問した。「はい、やはり金ハヌルに対するバッシングは相当厳しいものでした」

テレビ局の楽屋の問題、出演番組のハヌルに対する差別、番組Pの嫌がらせ、スタッフのぞんざいな態度、後輩の生意気な口の利き方等々を羅列したが「極め付けは28プロダクションのホームページに載った酷いコメントです」と言うとA4用紙をデスクに渡した。

「今はこのホームは閉鎖されてますが、その前に印刷しておきました」用紙に目を落としたデスクは驚いた様に「これは酷いな。唯の中傷じゃなく恨みが籠ってる感じがするな」と言った。「はい…ただ…」「ただ、なんだ?」「はっきりした事ではないんですが…」とミスは口籠もった。

「お前らしくないな。はっきり言え!」「はぁ…どうも人為的と言うか、わざと誰かがやらせた様な…」「ほぉ黒幕がいると…」「まだはっきりはしないんですが…」「誰なのか突き止めたのか?」「ですから、まだはっきりとした証拠がないので、言えないんですよ!」もどかしさからか珍しくミスは声を荒らげた。

「ふ〜ん黒幕か〜、面白くなって来たな。よし、ジホを付けるから続けてみろ」とデスクは揉み手をして微笑んだ。その日からミスとジホの取材が本格化して行った。

続く

1 COMMENT

すかい

「ピリリリリ…」って💦
せめて~「プルルルル…」なのかなぁ~と💦 まぁ~そんな呼び出し音もありか?
「黒幕」???👀 話の展開がどろどろして来ましたね~😞
そのころハヌルは、ボスと沖縄のリゾートホテルのコテージでシャンパンを飲んでました~なんちゃって~😊
んで? んで? その続きは??? わっくわく~

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