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【スマホ小説】ボス 41

ミスはデスクと対面していた。重苦しい空気が部屋に充満していた。原因は先日デスクからストップがかかった、金ハヌルに対する嫌がらせをさせた黒幕が、今回日本で傷害事件を起こしたキン・チョロだったと言う記事を、書くか書かないかと言う問題だった。

「デスク、もうすでに我が社はキン・チョロに対するスクープを出しました。それも他社にはない実写を載せて…この写真は何度もテレビで放映されました。おそらく大韓民国の全国民が見たんじゃないでしょうか?」デスクは腕組みをして目をつぶっている。

ミスは「デスク!すでにサイは振られたんですよ。腹を決めて下さい。この件はおそらく我が社だけですよ、嗅ぎ付けたのは…」と言うと「また、スクープです」と自慢気に言った。

デスクは静かに小さな目を開けてニヤリと笑った。そしてミスに「もう社長や幹部達の許可も出てるよ。校正にも回しておいたからお前、ちゃんとチェックして記事を確認しておけ」と言った。ミスは「ヨッシャー」とガッツポーズを取って「デスク、ありがとう」と投げキスをして部屋を飛び出して行った。「バカが…」と笑いながらデスクは彼女の後ろ姿を見送った。

次の日の「ショッキングトゥルース」の見出しに人々は釘付けになった。「金ハヌルに対する嫌がらせは本当だった!」副題で(出版社、評論家、映画会社、テレビ局全部グル!)「何と黒幕はあの〇〇!」と表紙にはあえて名前は出さなかった。この号は先日の記録をも抜いた。

一気に話したスジンはため息を大きく吐き出し、ハイボールの残りをグイッと飲み干した。「テスさん大活躍だったのね」と路子は拍手のポーズをテスに送った。

テスは、はにかみながら「そんな昔の話をしなくても良いじゃないですか」とスジンに言った。

「それであの後が大変だったんですよね。傷害容疑で裁判になるとか言ってましたけど…結局裁判で執行猶予付きの判決が出たんですよね」と母親の春江は言った。

「お母さん、詳しいね。ハハハ…でもね、通常の裁判より何倍も早いスピードで進んだんだ。おそらく韓国側から何かしらのアプローチがあったんだろうけど…やっぱり財閥系の人間は韓国では特別なんだよね。ただ、刑事はそうだけど民事は相手との示談がまとまらないと終わらないんだよ。つまり被害者のボスが告訴するとなったら、また民事裁判を開く様になるんだよ」とスジンは遠い目をしてタバコをくゆらせた。

続く

1 COMMENT

フォーカス

週刊誌の社内って、こんな感じなんですかね~👀
ボスは民事裁判を起こすんだろうか?
ケガの具合が気になるところですね~😞
この事件でハヌルは、決定的にチョロを嫌いになって、益々ボス?😍
んで? んで?

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