次の日、ハヌルは事務所に着くとすぐにチを呼んだ。「チちゃん、だいぶ前に日本から何か書類が届かなかった?私宛に…」と聞いた。
瞬間チの表情が固まった。「な…何の話?」「とぼけないでよ!ボス氏から何か送って来たでしょ?」と問いただす。「な…何で知ってるの?もしかしてオギちゃん?でも…何で知ってるの?」と意外だと言う表情をした。
「偶然聞いたらしいわ。そんな事より、何で黙ってたの?私全部聞いたんだから…」と詰め寄った。
するとチは意を決した様に「ちょっと来て」と言うと社長室に向かった。ドアを叩くと「どうぞ」中から社長の声が聞こえた。チとハヌルは社長室に入った。「社長、例の日本から送られて来たハヌルの書類、見せて下さい」とチが言うと社長はハッとした顔でハヌルを見た。
「全部知ったみたいですよ」とチはハヌルの顔を見ながら言った。社長は「そうですか…わかりました」と言うと金庫の中から封筒に入った紙を出してハヌルに渡した。「ボス氏から送られて来ました。中身は自分で確かめなさい」社長は静かに言った。
ハヌルは急いで開けてみた。それはチョロが書いた『誓約書』だった。今後一切ハヌルには近付かないし何の関係も持たない。もし約束を破った場合は法的な処罰を受ける…この様な内容だった。
「なぜ黙ってたの?ボスオッパは示談金も貰わないで…」と声を震わせた。「ハヌルさん、ちょっと大人になりなさい」と社長はキツイ言葉で遮った。「当時を思い出してみなさい。スキャンダルの中、貴女に対する同情が集まって再起のキッカケを掴んだのに、同じ渦中のボスさんと恋愛関係にあったとなるとどうなりましたか?…」
ハヌルはジッと社長を見ている。「それこそマスコミの餌食になり、折角集まった同情が自業自得となって新たなスキャンダルへと発展したでしょう。」社長は諭すように淡々と話した。「ボス氏はそれを一番恐れたのです。貴女が何より大切だから…だから、貴女に嫌われようが憎まれようが、ただ貴女の為だけを思ってああ言う事を言ったのです」
ハヌルは涙を堪えて、何か言葉を探したが見つからない。その時横で聞いていたチが口を開いた。「ヒャン、今だから言うけど…ボス氏…泣いてたのよ。そして貴女をよろしくって…」と言って喉を詰まらせた。そして「この書類もあなたが見たら自分を思い出すかも知れないから…早く忘れる為にと…内緒で…」
「ク…ク…ク…」ハヌルは拳に力を入れて涙を堪えた。ここで泣くとボスの思いを踏み躙る気がしたからだ。
社長室の中にハヌルの嗚咽を堪える声だけが響いた…
続く
そんな『誓約書』なんか、すぐに見つかりますよね~👀
さ~て、ハヌルはどうする? やっぱり日本へ飛んじゃう? ボスの胸に飛び込んじゃう?
女の気持ちは分かりません~ 男なので私…💦
オギとボスは待っていると思うけどな~🤳
んで? んで? 続きは?