…재광は、自ら営む不動産屋の奥部屋で김のスマホをパソコンに連結し、設定を解析している。ハッカー並の技能を有する彼は、画面上の記号や数列を追い、時に気になったのかキーボードを叩いたりしている。
突然「あれっ、何かありましたね。え〜っと、これは隠れスパイアプリのようですが、巷のそれとは別モノですかね。ソソられるちゃうねぇ。取り除くのは厄介かなぁ」 とブツブツ。김は背筋が寒くなる。로も何で?と김を見る。
재광は「今起動されたらヤバい。気づいたのがバレちゃうかも」と独り言のように呟きながら突然キーボードを素早く打ち始める。何をしてるか分からないが、凄い手際の良さだ。そして連結を外しスマホを김に手渡した。心なしか재광の顔が引きつってる。
「簡単に言うと、貴方は知らないまま誰かに見られてます。通話も筒抜け。そのスマホは丸裸同然ですよ。」
김は動揺を隠そうとわざと股間を隠す仕草をして「キャッ!」と戯けたが冷たい視線をくらっただけ。재광は「取り除く事は自分では無理なので、勝手にイタズラしちゃいました。」と舌をペロっとだし、機関銃乱射のように早口で説明を始めた。誰かは分からないけど相手がそれを起動させても信号や表示がないから気づきようがないけど、当然バッテリーだけは消費される。
「こっちから仕掛けられません。ただ相手が起動したら信号がでるようにしたし、その機能が相手側にも及ぶようにしちゃいましたけどね。相手にはバレないはずです。今でも相手が起動したら正体見れちゃいますよ。」
それが嫌なら新しいスマホに変えるしかないと付け加えた。김の頭の中はたちまちフル回転だ。(誰が、何のために、何で俺?この件は報告して指示を仰ぐべきでは⁉ でも逆利用は面白いかも)と好奇心がもたげる。すぐにポケットにしまうのもどうかと思い、わざと机の上に置いた。でもその後の雑談中もスマホの信号は瞬かなかった。
김は로영주や김재광にお礼を言いながら、おごるからどっかで一杯やろうと二人を誘った。そして近場の居酒屋に向かった。
続く
東北の金さんもチヨンと相対する工作員?なんか凄い展開になっていきそうですね。
次回が楽しみ。