【投稿】ねー、もう寝た？

子どもの頃、よく友達の家うちに泊まりに行ったことがある。自分のうちと違って友達んちは、家の臭いまで違う。もちろん両親も違うし兄弟も違うので、友だちのうちに泊まると少し新鮮でドキドキしたものだ。

特に友達のうちに泊った夜の高揚感は、今でも忘れることができない。友達とお風呂に入って夕食の時間、お風呂上がりの髪がまだ濡れたままの友達のお姉さんのパジャマ姿にはドキドキしたものだが、今はそれも懐かしい。

でも、夜が深まり、いざ就寝という段になると、途端に不安になってくる。それはおねしょだ。「出されたジュースや飲み物をいっぱい飲まないで、寝る前には必ずおしっこをすること！」と家を出る前にオモニにしつこく言われてたことを思い出す。

私がもぞもぞしていると友人が「ここだけの話だけど、俺もおしっこをしがちなんだ…」。友達との妙な連帯感が生まれた（笑）

さて部屋の電気を消し、真っ暗な部屋は静かになるが、友達と過ごす夜がまた楽しいのだ。なんだかんだと暗闇の中で好きな同級生の女子の話になる。そしてしばらくすると「あ、もうおしっこ出そう」と暗闇の中でつぶやく。「プッ！」と友達が耐えきれずに笑う。俺も笑う。すると隣の部屋で「うるさいぞ！」とドアの向こう側からアボジに注意をされた。そしてすぐ僕たちは静かになる。

そのまましばらく時間が流れた。そして私は「ねー、もう寝た？」と声をかける。「起きてるよ」と声がする。そしてまたクスクスと声を押し殺しながら笑う。